利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT0163

利用課題名 / Title

Nano/Micro機能付加による高性能伝熱面に関する研究

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

パワー半導体,ベーパーチャンバ,気液相変化現象,相変化伝熱面,熱伝達特性


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

馬場 宗明

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-004:電界放出形走査電子顕微鏡[S4800_FE-SEM]
AT-006:マスクレス露光装置
AT-019:多目的エッチング装置(ICP-RIE)
AT-025:スパッタ成膜装置(芝浦)
AT-095:RF-DCスパッタ成膜装置(芝浦)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 電子機器の高性能化やパワー半導体の高出力化に伴い、高密度発熱体の冷却が課題となっている。我々は、高い熱拡散・熱輸送能力を持つベーパーチャンバに関する研究開発を行っている。ベーパーチャンバ内では気液相変化現象が複雑に生じており、相変化伝熱面上に形成された微細構造や濡れ性を制御することで、気液挙動を制御し、高熱流束時の熱伝達特性を飛躍的向上させることができる。2022年度は、微細構造を有する機能性伝熱面表面に蛍光体薄膜層(以下、TSP)を形成させることで非定常な熱伝達率分布を可視化することを試みた。

実験 / Experimental

【利用した主な装置】
【NPF004】電界放出形走査電子顕微鏡(S4800)、【NPF006】マスクレス露光装置、【NPF008】スピンコーター、【NPF014】有機ドラフトチャンバー、【NPF015】酸アルカリドラフトチャンバー、【NPF016】スターラーウォーターバス、【NPF019】多目的エッチング装置(ICP-RIE)、【NPF021】プラズマアッシャー、【NPF025】スパッタ装置(芝浦)、【NPF044】マッフル炉、【NPF045】触針式段差計、【NPF054】ダイシングソー、【NPF095】RF-DCスパッタ堆積装置(芝浦)

【実験方法】
 伝熱面表面に微細な構造を形成させた沸騰伝熱面用の基板を試作した。微細構造としては、沸騰気泡底部の薄液膜の拡大を目的として、マイクロピラー形状について検討し、その作成プロセスの確認を行った。シリコンウエハ上にマスクレス露光装置でマイクロ構造を描写し、ボッシュプロセスによりマイクロピラーを形成させた。また、基板上にITO加熱薄膜と電極を形成し、その上から無機蛍光体薄膜層を形成させた伝熱面を製作した。電気絶縁、遮光、表面性状改善、試験流体に対する耐久性向上の観点から、伝熱面状に形成される多層膜の種類や膜厚、成膜プロセスを変更して、評価を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

 製作したTSP付き伝熱面を用いて、強制流動沸騰実験を行い、温度及び熱伝達率分布の可視化検証を行った。撮影速度2000fpsで撮影した伝熱面温度分布を示す。伝熱面上で核生成した気泡の直下にはドライパッチによる伝熱劣化と推測される温度が高い領域と、その周囲の液層の対流熱伝達による温度が低い領域が確認された。気泡周りの温度分布が気泡の成長および移動に追従して移動する様子が撮影できており、適切なTSP膜厚や形成プロセスにすることで、高い時空間分解能で温度の可視化が可能であることを確認した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1   Temperature distribution under nucleated bubble in flow boiling.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 馬場 宗明, 齋藤 慎平, 染矢 聡, 高田 尚樹, "TSPによる沸騰伝熱面温度分布の高時空間分解能計測", 第59回伝熱シンポジウム(岐阜), 2022年5月18日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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