【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.30】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22AT0044
利用課題名 / Title
Earth abundance半導体のスパッタ堆積薄膜評価
利用した実施機関 / Support Institute
産業技術総合研究所 / AIST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
Earth abundance,太陽電池,光吸収層材料,硫化スズ(SnS),組成比制御,水素反応性スパッタ法
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
杉山 睦
所属名 / Affiliation
東京理科大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
中村 駿介,滝沢 康太,金井 綾香
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
近年、安全・安価な太陽電池の光吸収層材料として、適した物性を有する硫化スズ(SnS)が注目されているが、理論上の変換効率の値と比較すると未だ低い。その原因の一つとして、太陽電池の性能に直結するキャリアや欠陥準位などの半導体特性に関して未解明な点が多いことが挙げられる。特に、SnS薄膜の組成比はこれらの物性を左右する重要なパラメータである。しかし、硫黄とスズの蒸気圧が大きく異なることや、異相であるSnS2及びSn2S3が安定物質であることなどから、準安定SnS薄膜の組成比制御は困難である。本研究では、スパッタ堆積時に水素ガスを用いる新たな組成比制御の手法を提案し、この手法を用いたSnS薄膜の堆積を行った。
実験 / Experimental
【利用した主な装置】
・二次イオン質量分析装置(D-SIMS)【NPF038】
【実験方法】
RFマグネトロンスパッタ法によりSnS薄膜をMoコートガラス基板上に成長させた。得られた試料の深さ方向元素プロファルを、二次イオン質量分析装置(D-SIMS)を用いて評価を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
SnS薄膜をアルゴンと水素の混合ガスを用いたスパッタ法により堆積し、SnS薄膜の組成比変化を試みた。図1にスパッタ堆積に用いた水素分圧比p(H2)とSnS薄膜の組成比の関係性を示す。p(H2)が増加していくのに伴って、薄膜のSn/S比がS-rich組成からSn-rich組成まで線形的に変化する傾向が確認された。これは、堆積中のH2ガスとSの反応により、薄膜中からSが取り除かれたためと推測される。この結果から水素反応性スパッタ法を用いることで簡便かつ繊細な組成比の制御が可能であることを確認した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 水素分圧比p(H2)とSnS薄膜の組成比の関係
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
関連文献:
1. S. Nakamura, M. Sugiyama, "Effect of Ar and H2 mixture gas on SnS thin films deposited by radio frequency (RF) magnetron sputtering", Thin Solid Films, 755, 139329 (2022). doi.org/10.1016/j.tsf.2022.139329
2. K. Takisawa, M. Sugiyama, "Tin monosulfide (SnS) epitaxial films grown by RF magnetron sputtering and sulfurization on MgO(100) substrates", Jpn. J. Appl. Phys. 61 025504 (2022). doi.org/10.35848/1347-4065/ac3e16
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件