利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2024.03.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22TT0002

利用課題名 / Title

微細貫通穴構造を持つ細胞トラップ用MEMSノズルの製作

利用した実施機関 / Support Institute

豊田工業大学 / Toyota Tech.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials

キーワード / Keywords

形状・形態観察,プラズマバイオ,細胞の配列と培地固定,光学顕微鏡/Optical microscopy,電子顕微鏡/Electron microscopy,リソグラフィ/Lithography,膜加工・エッチング/Film processing and Etching


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

韓 剛

所属名 / Affiliation

豊田工業大学大学院工学研究科マイクロメカトロニクス研究室

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

杉山祥子

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

福本由美子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TT-005:マスクレス露光装置
TT-006:マスクアライナ装置
TT-008:洗浄ドラフト一式
TT-011:Deep Reactive Ion Etching装置(Boschプロセス)
TT-015:デジタルマイクロスコープ群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

昨年度のナノPF利用(F-21-TT-0001)に引き続き、シリコン基板を両側から垂直エッチングして作る貫通構造を一種のマスクに応用する発展研究を進めた。この一つとして、加工寸法が数10mm以上と大きな貫通穴アレイをノズルとして利用する新しい試みを行った。細胞を単独に孤立させつつ、規則的に多数を配列するためである。従来、水など、液体の性質をマイクロ流路によって引き出し、水中の細胞を配列する方法が報告されている。しかし,植物の単細胞で重要な研究対象である種子などには別の方法が必要である。液中では発芽プロセスが始まってしまう恐れがあるためで、花粉や胞子も同様である。気流を使ったドライな方法で、細胞を配列して培地に固定できる技術が必要である。

実験 / Experimental

厚さ200mmの帳面研磨Si基板に、表と裏側からパターニングして垂直エッチングを施した。表側のパターンはマスクレス露光装置により直描した。表側は深さ70 mmのざぐり穴となる。この寸法が、トラップする対象であるユリの花粉が入って引っ掛かるように調整した。Fig. 1(a)に製作した、貫通穴アレイMEMSノズルを示す。全体では12x12の穴がある。裏側からの小さめの穴が中心につながっている。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig. 1(a)のノズルを介して真空引きを行ってトラップすることで,サイズ100mmほどのユリの花粉細胞を,水を使わないドライな方法で500mm間隔に配列させする。更に、40℃程度で液状を保つゼラチンを吸い上げ、冷やして固めることで、花粉をゼラチン培地に固定できた。Fig. 1(b)は、柱状ゼラチン内に固定された花粉である。これを一晩置いておくと花粉管が伸びる。Fig. 1(c)は、配列固定された花粉から花粉管が伸びている様子である。一連の操作が、花粉細胞を痛めていないことを示す。配列しないで花粉を培地固定すると、密集して、どこからどこまでが花粉管か判別し難い。Fig. 1(c)は、観察し易い。研究では、この配列固定方法を使って、大気圧プラズマにて処理した純水が,花粉管の成長促進効果を持つ傾向まで確認した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1(a) SEM image of the fabricated Si nozzle. 



Fig.1(b) Single pollen cell in the gelatin pillar.



Fig.1(c)Tubes grown from lily pollens arrayed.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・本研究の一部は2022年度 名古屋大学低温プラズマ科学研究センター共同利用・共同研究(22010)の支援を受けた。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Gang Han, Microtextured die using silicon stencil mask for micro-machining of stainless steel, Japanese Journal of Applied Physics, 61, SA1012(2021).
    DOI: 10.35848/1347-4065/ac1c3b
  2. Gang Han, Dry Etching of Stainless Steel Using a Silicon Hard Mask, IEEJ Transactions on Sensors and Micromachines, 142, 259-265(2022).
    DOI: https://doi.org/10.1541/ieejsmas.142.259
  3. Qingyang Liu, MEMS nozzle for dry-capturing lily pollens in array and fixing on culture media for plasma bio-applications, Japanese Journal of Applied Physics, 62, SN1015(2023).
    DOI: 10.35848/1347-4065/acfb17
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. (1) Sachiko Sugiyama, Gang Han, Takayoshi Tsutsumi, Hiromasa Tanaka, Minoru Sasaki, “MEMS nozzle for capturing lily pollen in array and fixing on culture media”, 15th International Symposium on Advanced Plasma Science and its Applications for Nitrides and Nanomaterials / 16th International Conference on Plasma-Nano Technology and Science, (2023.3.7)
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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