利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.15】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0410

利用課題名 / Title

金属酸化物クラスター触媒の観察

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)その他/Others

キーワード / Keywords

天然ガス転換,電子顕微鏡/Electron microscopy,ナノ粒子/ Nanoparticles


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

和知 慶樹

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

森田 真理

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-005:原子分解能元素マッピング構造解析装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

本研究の目的は天然ガスの主成分であるメタンを高効率的にメタノールへと転換する触媒および反応系の開発である。触媒のスクリーニングの結果、ジルコニア担体上に高分散担持された銅酸化物クラスターが高圧メタン酸化系において高いメタノール収率を示すことが明らかとなった。そこで反応後の触媒表面の様子をSTEM-EDSで観察し、高圧系で活性点となっている銅酸化物クラスターの状態を明らかにした。

実験 / Experimental

Cs, Cu, Wからなる複合酸化物のクラスターをZrO2上に担持した触媒を用いて400 ℃, 8 MPaの条件でメタン酸化を行った。2 mLのバイアル管に反応後の触媒サンプル約5 mgとエタノール1 mLに加え、超音波を用いて15分間分散させた。15分間静置することで大きな粒子を沈降させた後、上澄み溶液をパスツールピペットの先で掬い、銅マイクログリッド状に滴下した。調製したマイクログリッドを一晩真空乾燥することでサンプルを得た。走査型透過電子顕微鏡 (JEM-ARM200F Thermal FE STEM) を用いて透過像を観察した。またエネルギー分散型X線分析装置 (SDD) を用いて元素マッピングを行った。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig.1に高圧メタン酸化反応後のCs–Cu–W/ZrO2触媒のHAADF-STEM像およびEDS分析による元素マッピングデータを示す。HAADF-STEM像ではZrO2上に単原子 (Fig. 1b)、クラスター (Fig. 1c) および島状に成長した凝集種 (Fig. 1d) が分散している様子が観測された。またFig.1e–h の元素マッピングからCs, Cu, WはZrO2上に同様に分散しており、複合酸化物を形成していることが示唆された。反応前は直径2 nm程度のリング状の複合酸化物クラスターがZrO2上に担持されていたことから、複合酸化物クラスターは高圧メタン酸化系中で分解し、高分散な種と凝集した種の二パターンに変化していることが明らかとなった。今後はいずれの種がメタン酸化の活性点であるかを明らかにし、その種を選択的に生成する触媒調製法の開発に取り組む。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 (a–d) HAADF-STEM images and (e–f) STEM-EDS mapping, showing distributions of Zr, Cs, Cu, and W of Cs–Cu–W/ZrO2 catalyst after CH4 oxidation at high pressure.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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