利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0346

利用課題名 / Title

高効率光電変換材料の構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

太陽電池,ペロブスカイト材料,質量分析/Mass spectrometry,太陽電池/ Solar cell


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

木下  卓巳

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

竹内美由紀

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-306:超微量元素計測システム(SIMS)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

光電変換材料として開発された重金属を含む有機無機ハイブリッド薄膜の元素組成分析を行うため、東京大学の設備である超微量元素計測システム NanoSIMS 50Lを利用して分析を行った。類似化合物に関しての分析知見はあったものの、目的となる材料の分析は初めてであったため、観測条件の最適化を行った。結果として目的元素を観測する条件最適化まではできたが、測定中に試料が高温状態になっていることが懸念され、深さ方向の元素分析の定量までは至らなかった。

実験 / Experimental

測定試料は溶液プロセスで作成され、1㎝程度のサイズで300nm程度の複層膜として得られた。帯電が懸念されたため、膜表面に金属膜を付けた試料も用意した。分析には超微量元素計測システム Cameca 社製NanoSIMS 50Lを用いた。同一組成の試料の分析経験が無く、ネガティブイオンの測定を行う必要があったため、目的元素が観測されるようシグナル感度の最適化を行った。また深さ方向の分析についてはシグナルの分解能が高くなるようスパッタ速度の検討も行った。観測時は1次イオンにCs+を用い、16keVの加速電圧でスパッタリングを行った。

結果と考察 / Results and Discussion

作成した試料は酸素に対して不安定さを有するため、輸送も含め可能な限り不活性雰囲気下で作業を行った。測定直前まで試料へのダメージは最小限に抑えられたと考えられる。今回の実験ではネガティブイオンの検出を行う必要があり、また同時に観測できる元素種にも限りがあったため、測定条件の最適化が必要となった。最適化の結果、一部シグナルが極端に弱い元素種も存在したが、目的となる元素種の解析ができる条件の選定を行うことができた。薄膜の元素組成分析を行ったところ、元素種の2次元マッピング分析は可能であるものの、層構造の深さ方向の解析を行うには分解能が足りず、シグナルのブロードニング化が目立った。Cameca 社製NanoSIMS 50Lでは、スパッタリング一時イオンにCs+を利用することができるが、質量が大きく試料ダメージも大きくなりやすい傾向にあると考えられる。また。スパッタリング時に非常に大きなエネルギーが試料内部に加わるため試料が高温になると予想され、層構造が不明瞭な状態になりやすいと考えられた。温度制御もできないため、本装置での解析は困難であることが分かった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

特になし


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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