【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.29】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT0329
利用課題名 / Title
Mg(OH)2担持Pdナノ粒子触媒を用いた新規アニリン合成反応の開発
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies
キーワード / Keywords
電子顕微鏡/Electron microscopy,ナノ粒子/ Nanoparticles,電子顕微鏡/Electron microscopy,分離・精製技術/ Separation/purification technology,ナノ粒子/ Nanoparticles
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
李 輝
所属名 / Affiliation
東京大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
森田真理
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
我々は水酸化マグネシウム担持Pdナノ粒子触媒を用いたアクセプターレス脱水素芳香族環形成によるアンモニアを窒素源とした第1級アニリン合成法を開発した。XPSにより、Pd種が主にPd(0)であると確認した。また、TEMとSTEM観察により、Pdが平均粒径約3.6nmのナノ粒子として水酸化マグネシウムに分散担持されていることを確認し、さらにPdナノ粒子の表面に水酸化マグネシウムが存在することもSTEM-EDS-mappingとEDS line分析によって示された。
実験 / Experimental
エタノールに担持Pd触媒を分散させ、上澄み溶液をマイクログリッド上に滴下し、一晩真空乾燥させることによってサンプルを調製した。高分解能トップエントリー型透過電子顕微鏡 (JEM-2000EX) を用いてTEM像を、原子分解能元素マッピング構造解析装置 (JEM-ARM200F) を用いてHAADF-STEM像を撮影した。インジウムに載せたサンプルをXPS装置 (PHI 5000 VersaProbe) を用いて分析した。
結果と考察 / Results and Discussion
XPS解析により本触媒のPd種については約80%がPd(0)であると確認された。TEMによりPdが平均粒径約3.6nmのナノ粒子として水酸化マグネシウムに分散担持されていることを確認したが、STEMにより触媒の表面状態を観察したところ、Pdナノ粒子の表面に何かしらの物質が存在することが分かった。そこで、STEM-EDS-mappingとEDS line分析を行った結果、Figure 1に示すPd種がある領域 (~3.5–9.0 nm) において、Mg種とO種の存在が確認された。このような結果とCO-DRIFTsおよびXRD解析結果等から、Pdナノ粒子の表面に水酸化マグネシウムが存在することが明らかとなった。本反応における優れた選択性は水酸化マグネシウム担持Pdナノ粒子の電子状態や粒子サイズに関係なく、Pdナノ粒子の表面状態(Pdが覆われているかどうか)に寄与していると考察した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 水酸化マグネシウム担持Pdナノ粒子触媒のHADDF-STEM像及び元素分布
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本研究に関しまして、特にSTEM測定の技術支援をいただきました森田真理様に深く感謝申し上げます。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- (国内学会) 口頭発表:○李 輝, 谷田部 孝文, 高山 聡, 山口 和也, “担持Pdナノ粒子触媒を用いたアクセプターレス脱水素芳香環形成を鍵とするNH3を窒素源とした選択的第一級アニリン合成”, 第130回触媒討論会, A1講演 1I05, 富山大学五福キャンパス, 2022年9月20日(査読なし, 日本語).
- (国際学会) ポスター発表:○Hui Li, Takafumi Yatabe, Satoshi Takayama, Kazuya Yamaguchi, “Synthesis of primary anilines via acceptorless dehydrogenative aromatization catalyzed by supported Pd nanoparticles using NH3 as a nitrogen source”. 9th Tokyo Conference on Advanced Catalytic Science and Technology (TOCAT9), P1004, 福岡, 2022年7月25日(査読なし, 英語).
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件