利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0313

利用課題名 / Title

Ir系複合クラスター触媒の電子顕微鏡による局所構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/Electron microscopy,資源循環技術/ Resource circulation technology,ナノ粒子/ Nanoparticles


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

林  峻

所属名 / Affiliation

国立科学博物館

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-005:原子分解能元素マッピング構造解析装置
UT-006:ハイスループット電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

金属/酸化物界面は、その特異的な構造から触媒の活性サイトとして重要な役割を果たす。酸化物クラスターの表面酸素原子が金属イオンに配位した複合クラスターは、金属/酸化物界面を有する最小の化合物であることから、高密度な金属/酸化物界面を有する担持触媒の前駆体として有望である[1]。Ir-Mo複合クラスターを前駆体として調製したIr-Mo触媒は、別々の前駆体から調製したIr-Mo触媒に比べて、高い活性を示すことを見出している。本課題では、HAADF-STEM測定から、複合クラスターの前駆体応用が担持ナノ粒子触媒の粒子径に及ぼす効果を検討した。

実験 / Experimental

Ir-Mo複合クラスター触媒は、Ir-Mo複合クラスター[2]をAl2O3担体に担持後焼成することで調製した。比較のため、別々のIrおよびMoの前駆体から共含浸法によって同一組成のIr-Mo共含浸触媒を調製した。HAADF-STEM測定は、JEM-ARM200F(JEOL)を用いて行った。加速電圧は200 kVとした。

結果と考察 / Results and Discussion

HAADF-STEM像から、複合クラスター触媒および共含浸触媒の平均粒径はそれぞれ1.2±0.2 nm、1.3±0.3 nmと見積もられた(図1)。この結果は、粒子径が前駆体の種類に影響されないことを示唆している。したがって、複合クラスター触媒の高い触媒活性は、活性成分の分散度ではなく、活性サイトの構造に由来することが明らかとなった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1. HAADF-STEM像 (a) 複合クラスター触媒, (b) 共含浸触媒. 


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献:[1] Hayashi, S.; Shishido, T. ACS Appl. Mater. Interfaces 2021, 13, 22332. [2] Hayashi, Y. et al. J. Am. Chem. Soc. 1988, 110, 3666.謝辞:本測定は、東京大学 マテリアル先端リサーチインフラ 森田真理 技術職員の支援を受けて行われた。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 林峻・宍戸哲也, 第130回触媒討論会, 1J16, 2022年9月20日.
  2. 林峻・宍戸哲也, 日本化学会第103春季年会, K305-1pm-04, 2023年3月22日.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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