利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0276

利用課題名 / Title

標準試料(タンパク質のネガティブ染色グリッド,細胞の超薄切片)のTEM観察

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)その他/Others

キーワード / Keywords

生体試料,電子顕微鏡/Electron microscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

古屋  俊江

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

齊藤 知恵子

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

森山 和彦,押川 浩之

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-007:高分解能分析電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 タンパク質などの生体試料をクライオ電子顕微鏡で観察する前段階として、ネガティブ染色した生体試料をJEM-2010Fで観察し、目的の試料の構造は壊れていないか、試料は均一に分散しているか等の確認を行っている。また取得したネガティブ染色像を用いて二次元画像のクラス分類をするケースもある。しかし当研究室のJEM-2010Fは、Gun劣化によるビーム異常で使用不可となった。今後の代替策として、ARIM所有のJEM-2010Fの利用を考えている。そこで標準試料を用いて画像を取得し、これまでと同等の画像が得られるか確認したい。

実験 / Experimental

 標準試料として、TEM用グリッド表面にGroEL、Ribosome、Apoferritinをそれぞれ吸着させネガティブ染色し、乾燥させた3種類のグリッドを用いる。TEMとしてJEM-2010F(吉川研)、JEM-2010F(ARIM)、JEM-1400Flash(吉川研)の3機種を用い、視野2条件(約690nm2と約350nm2)で観察を行う。取得した画像を画像解析ソフトcryoSPARCで二次元画像のクラス分類を実施する。また細胞の超薄切片の観察も行う。

結果と考察 / Results and Discussion

 観察したネガティブ染色試料のうち、GroELの視野約690nm2の画像を図1に示す。これら画像の解析を行った結果、吉川研ならびにARIMのJEM-2010F観察において双方に以下のフォーカス合わせの問題があり精度が低下したものの、二次元画像のクラス分類は可能であった。吉川研のJEM-2010Fでは、画像取得時Zフォーカスが合っておらず対物レンズでフォーカスを合わせたため視野により粒子サイズに誤差が生じ、ARIMのJEM-2010Fでは、defocusが-6μmと過剰なアンダーフォーカス像となった。フォーカス合わせの対策として、Zフォーカスを合わせた上で適切なアンダーフォーカス(defocus:-1~-2μm)の画像を取得すれば、高精度な二次元画像のクラス分類が可能と判断される。よって今後、ネガティブ染色像から二次元画像クラス分類する必要が生じた場合は、ARIMのJEM-2010Fを借用させていただく予定である。吉川研のJEM-1400Flashについては、電子銃,カメラが他より劣るため二次元画像の解析は困難であるが、試料の構造や均一性の確認は十分にできると判断した。
 尚、ARIMのJEM-2010Fを用いた細胞の切片観察については、問題なく鮮明な像が得られた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1. GroELのネガティブ染色TEM像  (a)JEM-2010F(吉川研所有)(b)JEM-2010F(ARIM所有)(c)JEM-1400Flash(吉川研所有)


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・データ解析者:東京大学 大学院医学系研究科 柳澤 春明
・JEM-2010Fの操作方法を教えて下さったARIM押川 浩之様に感謝致します。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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