利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0274

利用課題名 / Title

CO2水素化反応を指向した担持Ruナノ粒子触媒の開発

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)その他/Others

キーワード / Keywords

二酸化炭素水素化, 担持金属触媒, Ruナノ粒子,電子顕微鏡/Electron microscopy,資源循環技術/ Resource circulation technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

北條 智裕

所属名 / Affiliation

東京大学大学院工学系研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-005:原子分解能元素マッピング構造解析装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

二酸化炭素の水素化による有用化合物合成のためのアルカリ金属を導入した酸化鉄担持Ru触媒の開発にあたり、担持されたRuナノ粒子の反応前後の粒径変化や触媒上の元素の存在位置などを観察するため、STEM観察ならびにSTEM-EDSマッピングの観察を行った。

実験 / Experimental

原子分解能元素マッピング構造解析装置 (JEM-ARM 200F Thermal FE STEM) を用いて活性試験前後の触媒の High-angle Annular Dark Field (HAADF) 像の観察を行った。加えてScanning-TEM Energy Dispersive Spectroscopy (STEM-EDSマッピング) の観察も同装置を用いて行った。なお、測定サンプルは観察対象の触媒をエタノール中に超音波により分散させ、これをCu マイクログリッド上に滴下し、ダイヤフラムポンプで一晩吸引乾燥させたものを用いた。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig. 1に示す反応前のアルカリ金属添加酸化鉄担持Ru触媒では2 nm程度のRuナノ粒子が高分散に担持されていることが確認された。Fig. 2に示す反応後の酸化鉄担持Ru触媒では凝集は起こったものの、個々の粒子の形は維持しており、粒子径は約3 nm程度であることが確認された。一方でアルカリ金属を添加していない反応後の触媒では10 nmを超える非常に大きなRu粒子が観測され、シンタリングが進行したことが確認された。こうした粒子径の違いが活性および選択性の違いに影響を及ぼしたと考えられる。また、測定したSTEM-EDSマッピングの結果からは、添加したアルカリ金属が表面全体に均一に分散していることが確認された他、アルカリ金属を添加した触媒では担体によるRuナノ粒子の被覆が起こったことが確認され、この被覆がRuナノ粒子の粒径増大を抑制したと考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 反応前のアルカリ金属添加酸化鉄担持Ru触媒のHAADF像



Fig. 2 反応後のアルカリ金属添加酸化鉄担持Ru触媒のHAADF像



Fig. 3 反応後のアルカリ金属無添加酸化鉄担持Ru触媒のHAADF像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本測定の技術支援をいただきました森田真理様に深く感謝申し上げます。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 北條智裕, 矢部智宏, 山口和也, “二酸化炭素水素化における酸化鉄担持ルテニウム触媒のプロモーターによる活性制御”日本化学会 第12回 CSJ化学フェスタ2022, 令和4年10月18日.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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