利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.30】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0038

利用課題名 / Title

機能性ナノ-マイクロサイズ材料の構造分析

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/Electron microscopy,生体イメージング/ In vivo imaging,抗菌・抗ウイルス材料/ Antibacterial/antiviral materials,ナノ粒子/ Nanoparticles


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

中村  乃理子

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

佐原雄斗,前田悠希,土屋裕輝,徳丸幹人,永田渉,奈良裕太朗,山岸達希,Li Xu,Ziyu Zhao,Huanyu Zhang

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-011:有機材料ハイコントラスト透過型電子顕微鏡
UT-007:高分解能分析電子顕微鏡
UT-102:高分解能走査型分析電子顕微鏡
UT-103:高分解能走査型電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

金属、半導体など多くの材料はナノ粒子化することにより、表面プラズモン共鳴や蛍光などバルク体とは異なる特異的な光特性を示す。一方、生体内では無数の分子が相互作用することで生命現象を司っているが、DNAなどの生体分子を材料として捉え、巧みに用いることでナノサイズの精密な構造制御や反応系の構築が可能となる。本研究ではそのサイズなどの特性を精密に制御して合成したナノ粒子と生体分子を組み合わせることで、生体内の分子を高感度、網羅的かつ簡便に検出する手法の開発を目指す。

実験 / Experimental

金ナノ粒子、量子ドット、有機半導体ポリマーナノ粒子の形態は透過型電子顕微鏡を用いて観察し、ImageJ FIJIを用いた画像解析により平均粒子サイズを算出した。また、DNAを用いた金ナノ粒子集積体の形成を透過型電子顕微鏡を用いて評価した。相補的な配列を有するDNAの添加による逐次的な金ナノ粒子集積体の解体は、反応停止剤を添加し透過型電子顕微鏡を用いて観察することで評価した。マイクロ粒子の形態は走査型電子顕微鏡を用いて観察した。

結果と考察 / Results and Discussion

合成した金ナノ粒子、有機半導体ポリマーナノ粒子はいずれも球状の形態を有し、合成条件を制御することで広範囲において任意のサイズの粒子が得られることが確認された。ナノ粒子のサイズを数十から数百nmの広範囲で制御することはサイズをラベルとして生体内の分子を認識、検出する技術を開発するうえで重要であり、今後これらのナノ粒子を基盤とした新規の疾患診断手法の創製が期待される。また、条件を制御することにより異なるサイズの金ナノ粒子を用いた集積体の形成が可能であることが確認された。これらの金ナノ粒子集積体は標的DNAの添加により解体反応が進行し、表面プラズモンの波長の変化を利用したバイオマーカーの検出の可能性が示唆された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Noriko Nakamura, Facile and wide-range size tuning of conjugated polymer nanoparticles for biomedical applications as a fluorescent probe, RSC Advances, 12, 11606-11611(2022).
    DOI: 10.1039/D1RA09101H
  2. Seiichi Ohta, Silver-loaded carboxymethyl cellulose nonwoven sheet with controlled counterions for infected wound healing, Carbohydrate Polymers, 286, 119289(2022).
    DOI: 10.1016/j.carbpol.2022.119289
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Seiichi Ohta “Nanoparticle-based micro-RNA detection via catalytic DNA reaction” Mac-UoT-UT Workshop 2022
  2. 太田誠一「粒子の物理化学的性質に着目した光機能性ナノ粒子の医療展開」 第3回MIRCフォーラム
  3. Seiichi Ohta “miRNA detection system based on DNA-mediated catalytic reaction and nanoparticle assembly” International Congress on Pure & Applied Chemistry 2022
  4. Seiichi Ohta “Controlling physicochemical property of synthetic nanoparticles and its application for the detection of immune-related biomarkers” The 51st Annual Symposium of the Japan Society for Immunology
  5. 太田誠一「化学工学モデルを活用した診断用ナノ粒子の物理化学的性質の戦略的設計」 第35回CES21講演会
  6. 太田誠一「粒子の”物理化学的性質”の制御を基盤とした光機能性ナノ粒子の開発~核医学イメージングとの接点~」 学術変革領域B 光子対診断治療学 第2回研究会
  7. Seiichi Ohta “Detection Platform of Biomarkers Based on Physicochemical Property of Nanoparticles” The 5th Stockholm-Tokyo Workshop
  8. 前田 悠希・中村 乃理子・太田 誠一「細胞表面マーカーの高感度検出に向けた有機半導体ポリマー蛍光ナノ粒子の逐次集積技術の開発」化学工学会第53回秋季大会, 2022/9/14~16
  9. 土屋 裕輝・中村 乃理子・太田 誠一「ナノ粒子のサイズと蛍光色をラベルとして用いた、タンパク質マーカーの一括マルチ検出手法の開発」化学工学会第53回秋季大会, 2022/9/14~16
  10. 佐原 雄斗・中村 乃理子・太田 誠一「核酸バイオマーカーに応答した金ナノ粒子集積体の解体と吸光特性変化の検討」化学工学会第53回秋季大会, 2022/9/14~16
  11. 赤羽 祐紀・中村 乃理子・太田 誠一「miRNAの簡便マルチ検出に向けたDNA触媒反応による蛍光増幅・クエンチ手法の開発」化学工学会第53回秋季大会, 2022/9/14~16
  12. Zhao Ziyu・中村 乃理子・中對 一博・續石 大気・坂上 知・島添 健次・太田 誠一、”Investigating the Cerenkov Radiation Energy Transfer between InP QDs and radioisotopes for bioimaging application”, 化学工学会第88年会, 2023/03/15~17
  13. 木村 優香・伊與木 健太・中村 乃理子・ 中木戸 誠・太田 誠一・一戸 猛志・宮前 治広・ 江上 侑希・ 佐藤 弘一・津本 浩平・大久保 達也・脇原 徹、「様々なゼオライトの抗菌・抗ウイルス特性」化学工学会第88年会, 2023/03/15~17
  14. 土屋 裕輝・中村 乃理子・太田 誠一「表面修飾ナノ粒子の医療応用に向けたFFFによる微凝集評価系の開発」化学工学会第88年会, 2023/03/15~17
  15. 佐野 友南・中村 乃理子・中對 一博・續石 大気・坂上 知・太田 誠一、「タンパク質の一分子標識に向けた一価の抗体修飾InP 量子ドットの開発」化学工学会第88年会, 2023/03/15~17
  16. 前田 悠希・ 中村 乃理子・太田 誠一、「有機半導体ポリマー蛍光ナノ粒子の逐次集積による細胞表面マーカーの高感度検出」化学工学会第88年会, 2023/03/15~17
  17. Zhang Huanyu, Nakamura Noriko・Ohta Seiichi, “Synthesis of size-tunable superparamagnetic iron oxide/fluorescent conjugated polymer composite nanoparticle for sentinel lymph node biopsy,” SCEJ 88th Annual Meeting
  18. Ziyu Zhao, “Invesitigating the Cerenkov Radiation Energy Transfer between InP quantum dots and RI,” The 5th Stockholm-Tokyo Workshop
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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