利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.30】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0013

利用課題名 / Title

セラミックスの焼結および力学特性についての研究

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials

キーワード / Keywords

セラミックス,電子顕微鏡/Electron microscopy,イオンミリング/Ion milling,集束イオンビーム/Focused ion beam


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

増田  紘士

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

Fei Shen Ong,青木 勇太,中村 綾,中元 綾乃,今西 創生,桑原 悠人,美馬 裕一,Lieyang Li

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-007:高分解能分析電子顕微鏡
UT-102:高分解能走査型分析電子顕微鏡
UT-103:高分解能走査型電子顕微鏡
UT-151:集束イオン/電子ビーム 複合ビーム加工観察装置
UT-404:TEM試料調製システム_ナノミル


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

セラミックス材料は,硬度・耐熱性・耐食性に優れるものの,塑性変形を生じづらい脆性的な性質および高温・長時間を要する焼結プロセスに問題を抱えている。我々のグループは,これらの問題を解消するため,酸化物セラミックスの微小力学特性,高温塑性流動,通電支援焼結技術の研究を行っており,その中でセラミックスの微細組織評価が必要不可欠である。そこで本課題では,セラミックスの微細組織をマルチスケールで評価するための電子顕微鏡観察を目的として実施された。

実験 / Experimental

本課題では、TEM (JEM-2010F) およびナノミル装置を利用したセラミックスの結晶粒界の高分解能観察、FIB (JIB-4600F) によるマイクロピラーの加工、SEM (JSM-7000F) を利用した高温変形後の結晶粒径評価、SEM-EDS (JSM-7800F) を利用した相互拡散対試料の濃度分析を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

セラミックスの力学特性および焼結特性について下記の重要な知見を得ることができた:[1] TEM (JEM-2010F) およびナノミル装置によって、イットリア安定化ジルコニア (YSZ) 双結晶の対称傾角粒界を高分解能観察し、研究で用いた双結晶試料は結晶粒同士が原子スケールで結合した粒界構造をもつことが確認できた。[2] FIB (JIB-4600F) によって、YSZ、Y2O3、MgAl2O4、SrTiO3単結晶から直径およそ1 um、高さおよそ3 umのマイクロピラー試験片を作製した。これらの試験片は、我々のグループが保持する微小機械試験設備によって圧縮試験を行い、セラミックスが微小領域では室温においても塑性変形を生じる結果を示した。[3] SEM (JSM-7000F) によって、焼結ままおよび高温変形後の多結晶YSZの微細組織を観察し、塑性ひずみの蓄積とともに動的な結晶粒成長が生じることが明らかとなった。[4] SEM-EDS (JSM-7800F) によって、Y2O3-Er2O3相互拡散対の界面近傍における濃度マッピングおよびプロファイル分析を行い、電場支援によって拡散係数が上昇することが明らかとなった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Hiroshi Masuda(東京大学), Yelm Okuyama(木更津工専), Hidehiro Yoshida(東京大学)"Orientation-dependent plastic deformability in micropillar compression of oxide ceramics"ECI Nanomechanical Testing VIII,2022/10/3
  2. Ryo Nakamura(東京大学), Hiroshi Masuda(東京大学), Hidehiro Yoshida(東京大学) "Local mechanical response in the vicinity of single grain boundary in YSZ measured by nanoindentation" "ECI Nanomechanical Testing VIII" 2022/10/5
  3. 増田 紘士(東京大学), 奥山 彫夢(木更津工専), 吉田 英弘(東京大学) "マイクロピラー圧縮試験を通じた 酸化物単結晶における塑性変形の方位依存性調査" 一般社団法人粉体粉末冶金協会2022年度秋季大会(第130回講演大会) 2022/11/15
  4. Hiroshi Masuda(東京大学), Yelm Okuyama(木更津工専), Hidehiro Yoshida(東京大学) "Plasticity enhanced in kinking orientations of cubic-structured ceramics micropillars" "The 5th International Symposium on Long-Period Stacking Order Structure and Millefeuille Structure" 2022/12/12
  5. 今西 創生(東京大学), 増田 紘士(東京大学), 吉田 英弘(東京大学) 3Y-TZPの交流電場下における高温引張試験 第171回超塑性研究会 2023/3/3
  6. 増田 紘士(東京大学), 奥山 彫夢(木更津工専), 吉田 英弘(東京大学) 立方晶酸化物への単結晶マイクロピラー圧縮試験における結晶方位依存性 日本セラミックス協会 2023年年会 2023/3/10
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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