利用報告書 / User's Report

【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2024.06.25】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22IT0035

利用課題名 / Title

超高速磁化反転技術の開発

利用した実施機関 / Support Institute

東京工業大学

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

Pham Nam Hai

所属名 / Affiliation

東京工業大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

白倉 孝典

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

IT-007:走査型電子顕微鏡
IT-024:触針式段差計
IT-037:クリーンルーム付帯設備一式


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

低消費電力かつ高速読み書きが可能な新規メモリとして、磁性体を用いた磁気抵抗メモリが注目を集めている。磁気抵抗メモリは磁性体の磁化の向きにより情報を記録し、その向きは電子のスピン角運動量の流れであるスピン流を用いて制御する。本研究室では、従来のスピン移行トルク方式よりも高効率に純スピン流を生成可能なスピンホール効果に注目して研究を行っている。スピンホール効果により生成される純スピン流密度は、非磁性体に注入される電流密度に比例する。一方、磁化の向きを反転させるためには材料や形状で決まるしきい値以上の電流密度を印加する必要がある。このしきい値電流密度は電流パルスの印加時間が短くなるほど増大することが知られている。したがって、サブナノ秒の高速パルスを用いた磁化反転には非常に高い電流密度を要する。一方、高速パルス発生装置は電圧源であるため、高い電流密度を実現するためにはデバイスサイズを数百nmに縮小する必要がある。 本研究では、最小線幅100 nmのホールバー構造を作製し、極めて高効率に純スピン流を生成可能なトポロジカル絶縁体を用いたサブナノ秒高速磁化反転の実証を目的としている。本目的達成のためには、電子ビーム露光装置を用いたパターン作製が必須であり、本年度はその露光条件出しを行った。

実験 / Experimental

(1) SiO2/Si基板にma-N2401を塗布する。このとき、回転速度は3000rpm、回転時間は90秒とした。
(2) ホットプレートを用いて、115oCで5分間プリベークする。
(3) 電子ビーム露光装置を用いてドーズ量を変えながら最小線幅100nmのホールバー構造を露光する。
(4) NMD-3を用いて2分間現像を行う。
(5) 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてレジストパターンの観察を行い、最小パターンが最も設計値に近いドーズ量を探索する。

結果と考察 / Results and Discussion

ドーズ量1050μC/cm2にて露光したレジストパターンのSEM像を図1に示す。ただし、SEM観察における加速電圧は10kVとした。図1(a)は倍率11000倍で観察したホールバーの全体像であり、中心から上下に伸びる設計値100nm幅の電圧測定端子も明瞭に現像できていることが分かる。図1(b)は倍率50000倍で観察したホールバーの中心部であり、電圧測定端子の幅が設計値である100nmとほぼ一致していることが分かる。したがって、本研究で用いたレジスト塗布条件および現像条件では、ドーズ量1050μC/cm2を用いることで100nmの回路パターンを描画できることが分かった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1.(a) ドーズ量1050μC/cm2にて露光したホールバーパターン全体を示すSEM像および、(b)ホールバー中心部を拡大したSEM像。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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