利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.18】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22BA0028

利用課題名 / Title

SiC-MOSFET内蔵ダイオード順方向サージ電流導通時の破壊箇所断面観察

利用した実施機関 / Support Institute

筑波大学 / Tsukuba Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

SiC MOSFET、内蔵pinダイオード、順方向サージ耐量,電子顕微鏡/Electron microscopy,パワーエレクトロニクス/ Power electronics


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

岩室 憲幸

所属名 / Affiliation

筑波大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

北村 雄一

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

俵 妙

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

BA-003:FIB-SEM


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

SiC MOSFETの更なる普及を達成するためには、パワエレ装置事故時における素子の破壊耐量を確保することが極めて重要である。SiC MOSFET内蔵ダイオードの順方向サージ耐量は、例えば、電気自動車用途のインバータ回路においてActive short circuit制御が作動した際のダイオード保護の際に必要な特性である。そこでSiC トレンチMOSFETの内蔵pinダイオードの順方向サージ試験時の素子破壊メカニズムの解明するため、故意に破壊させた素子の破壊箇所を観察し、その破壊メカニズムを明らかにすることを目的とする。

実験 / Experimental

産総研にて開発中のSiC トレンチMOSFETを用い(定格電流75A)、定格電流の約3倍の250Aを初期値とし、50Aずつ増加させながら電圧、電流波形の測定を、素子が破壊するまで実施じた。各電流値での測定終了後、端子間の抵抗をチェックし、素子の破壊発生有無を確認しながら行った。素子破壊後、樹脂モールドをはく離し、光学顕微鏡ならびにSEMで破壊箇所を同定。その後、破壊箇所の断面FIB-SEM像を取得し、観察を実施した。

結果と考察 / Results and Discussion

順方向サージ試験において、素子破壊直前に必ずゲート・ソース間にもれ電流が流れることを確認した。また破壊箇所の断面SEM像観察から、溶融したアルミ電極が、比較的厚い層間絶縁膜に浸潤していることも確認された。一方、膜厚の薄いゲート酸化膜は一切ダメージを受けていないことも併せて分かった。このことから、順方向サージ電流試験中の温度上昇によって溶融したソース電極のアルミが、層間絶縁膜に浸潤することでゲートもれ電流が発生し、この異常を起点にしてゲート・ソース間が短絡し破壊が生じたと結論付けた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は、産総研・TPECとの共同研究である。また順方向サージ電流試験にあたり、㈱テセックならびに㈱キャッツ電子設計には多大なる協力をいただいた。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Yudai Kitamura, Study on enhancing of the surge current capabilities of embedded SBDs in SWITCH-MOSs and body-PiN-diodes in SiC trench MOSFETs, Japanese Journal of Applied Physics, 62, SC1007(2022).
    DOI: 10.35848/1347-4065/aca61b
  2. Yudai Kitamura, Demonstration of the Surge Current Capability of Embedded SBDs in SiC SBD-Integrated Trench MOSFETs with a Thick Cu Block, 2022 IEEE 34th International Symposium on Power Semiconductor Devices and ICs (ISPSD), , (2022).
    DOI: 10.1109/ISPSD49238.2022.9813646
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. “1.2 kV 耐圧SiCトレンチMOSFET内蔵ダイオード順方向サージ電流耐量の解析” 電気学会 電子デバイス研究会 発表予定
  2. Y. Kitamura, T. Tawara, S. Harada, H. Yano and N. Iwamuro, “Experimental Demonstration of the Surge Current Capability of Embedded SBDs in 1.2-kV SiC SBD-integrated Trench MOSFETs with Ti and Ni as Schottky Metals,” in Ext. Abstr. Solid State Devices and Materials (SSDM 2022), pp. 701-702, 2022.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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