利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22BA0009

利用課題名 / Title

超高速時間分解電子線回折法を用いた物質の過渡的構造計測

利用した実施機関 / Support Institute

筑波大学 / Tsukuba Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

成膜


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

羽田 真毅

所属名 / Affiliation

筑波大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

矢嶋渉、四方諒、齋田友梨、上野辰、塩谷海斗、西森亮太

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

BA-002:スパッタリング装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

超高速時間分解電子線回折装置の電子線源(フォトカソード)を作製するために、筑波大学の設備を利用してサファイア上にクロムと金の薄膜を成膜した。作製した電子線源を用いて、様々な時間分解電子線回折法による物質の構造ダイナミクス計測や新奇の装置開発を進めている。

実験 / Experimental

直径12.7 mm厚み1 mmの両面研磨のサファイア基板上にスパッタリング装置(CFS-4EP-LL (i-miller))を用いてクロムを2 nm成膜し、その上に金を25 nm成膜したものを作製し、我々の研究室で用いる超高速時間分解電子線回折実験用のフォトカソードとした。

結果と考察 / Results and Discussion

 我々は、作製したフォトカソードを用いて、新奇の装置開発を進めている。令和4年度に開発した装置の一つは、広時間帯域の超高速時間分解電子線回折装置である。ナノ秒レーザーをフェムト秒レーザーに電気的に同期することでナノ秒からミリ秒にわたる時間分解計測が可能な装置を開発し、従来のピコ秒からナノ秒の時間領域計測可能な電子線回折装置と組み合わせることで、9桁にわたる時間領域の物質の光誘起構造ダイナミクス計測に成功した。さらに、時間分解電子線回折装置にテラヘルツ波を導入することで、パルス電子線のパルス幅を計測するシステムも開発に成功した。このシステムではテラヘルツ波を共振器中に導入することで瞬間的な強電場を生成し、それによる極短パルス電子線のパルス幅計測している。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

特になし。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Yuri Saida, Development of a Multitimescale Time-Resolved Electron Diffraction Setup: Photoinduced Dynamics of Oxygen Radicals on Graphene Oxide, The Journal of Physical Chemistry A, 126, 6301-6308(2022).
    DOI: 10.1021/acs.jpca.2c04075
  2. Wataru Yajima, Streaking of a Picosecond Electron Pulse with a Weak Terahertz Pulse, ACS Photonics, 10, 116-124(2022).
    DOI: 10.1021/acsphotonics.2c01304
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 矢嶋渉, 嵐田雄介, 西森亮太, 江本悠河, 山本祐揮, 川崎康平, 齋田友梨, 鄭サムエル, 赤田圭史, 田久保耕, 重川秀実, 藤田淳一, 腰原伸也, 吉田昭二, 羽田真毅, "テラヘルツ波による極短パルス電子線のパルス幅計測" 第83回応用物理学会春季学術講演会, 2022年9月23日.
  2. Y. Saida, R. Shikata, S. Ohmura, Y. Nishina, M. Hada, "Multi-timescale Photoinduced Structural Dynamics Measurements of Graphene Oxide", IVC22, Sep. 2022, Hokkaido, Japan.
  3. W. Yajima, Y. Arashida, R. Nishimori, Y. Emoto, Y. Yamamoto, K. Kawasaki, Y. Saida, S. Jeong, K. Akada, K. Takubo, H. Shigekawa, J. Fujita, S. Koshihara, S. Yoshida, M. Hada, "Development of a terahertz pump and electron diffraction probe setup for the dynamics measurements of liquid crystals" OLC2021/SWS2022, Sep. 2022, Nago-shi, Japan.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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