利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22TU0174

利用課題名 / Title

電気化学発光現象観察のための3次元微細モデル作製 / Development of 3D microstructures for electrochemiluminescence study

利用した実施機関 / Support Institute

東北大学 / Tohoku Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

グレースケール露光,リソグラフィ/Lithography,バイオアダプティブ材料,バイオセンサ


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

平本 薫

所属名 / Affiliation

東北大学学際科学フロンティア研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TU-057:レーザ描画装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

バイオセンサ用途に向けた電気化学発光の電極反応解析のため、スライドガラス面に形成したITO電極上に、微小構造物を作製することを目的としている。電極反応の際の化学種の3次元的な拡散を調査したいので、通常のリソグラフィではなく、DWL2000CEを用いたグレースケール露光によりピラミッド型の構造物を作製した。

実験 / Experimental

Fig. 1に示すような高さ10 µm, 底辺の長さ10, 40, 80 µmのピラミッド構造を3D CADで作製し、STLファイルに変換後、DWL2000CE のソフト内で0 ~ 1023諧調にレーザー強度を割り当て、直接描画によって露光した。 用いた基材・リソグラフィ試薬は下記の通りである。
基板:ITO電極(□25 mm)、プライマー:OAP、レジスト:PMER HA1300、現像液:P-7G
下地のITO基板を電気化学計測用電極として機能させたいので、ピラミッド部分以外は完全にレジストが抜ける必要がある。レジストのスピンコート条件、現像条件、レーザーフォーカス強度を変えることにより(Table 1)、ITO電極上へのピラミッド構造作製を試みた。

結果と考察 / Results and Discussion

レジストの塗布スピードが500, 750 rpmの条件では、ピラミッド構造は作製できるものの、いずれの現像時間、レーザーFocus強度においても底面のレジストが抜けきらなかった(Fig. 2a)。レーザー強度は最大の100で設定しているため、本条件における膜厚でITO底面を露出させるには、2回露光が必要となる。2回露光の条件出しは難しく、本件ではレジスト膜厚(ピラミッド高さ)よりも、斜面構造の形成の方が重要であったため、塗布スピードを上げる(膜厚を薄くする)方向で調整することとした。
塗布スピード900 rpmの条件では□40 µm, □80 µmのデザインでピラミッド構造が作製できたがエッジが出ていない (Fig. 2b)。1000 rpmの条件では□10, 40 µmのデザインは形状が残らなったが、□80 µmのデザインでピラミッド構造が作製できた(Fig. 2c)。いずれの条件においても底辺の長さは減少し、1000 rpm, □80 µmではピラミッドのサイズが約40%減となった(Table2)。
本検討では、スピンコート1000 rpm, レーザーフォーカス70で、目的としていたピラミッド構造に近い構造が作製できた。一方で、設計値に対し最終のピラミッドサイズがかなり縮小してしまっている。フォーカス強度を下げる、また縮小比を考慮したCAD設計を行っていく必要がある。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 ピラミッド構造の3D CADデザイン



Fig. 2 作製したピラミッド構造(□80 µmデザイン、Focus-70)(a)スピンコート条件 750 rpm. 干渉縞が見えており底面のレジストが抜けきっていない。(b) スピンコート条件 900 rpm. レジストは抜けたが形状が悪い。(c)スピンコート条件 1000 rpm。



Table1. 条件検討項目



Table 2. 各条件におけるピラミッド構造出来栄え(□80 µmデザインを抽出)


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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