【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.27】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22TU0126
利用課題名 / Title
光波センシングのためのフォトニック・ナノ構造の創製 / Fabrication of Photonic Nanostructures for Optical Sensing
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
フォトニック結晶, マルチスペクトル・フィルタアレイ,リソグラフィ/Lithography,EB,ナノフォトニクスデバイス/ Nanophotonics device
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
大寺 康夫
所属名 / Affiliation
公立大学法人富山県立大学 工学部電気電子工学科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
辺見政浩
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
我々はスナップショット型集積型イメージングスペクトロメータの実現に向けて、イメージセンサと同じ画素配置を持つ微小マルチスペクトル・フィルタアレイ(Multi-spectral Filter Array: MFA)の開発を行ってきた。MFAの実体はサブ波長回折格子付き基板上の誘電体干渉多層膜である。本課題では基板となる溶融石英板上のレジスト膜に、サブ波長格子をEB描画で形成する実験を行った。
実験 / Experimental
WSi膜およびレジスト膜(ZEP-520A、厚み約3500Å)をコーティングした溶融基板を用いた。フィールドサイズ500μm, ドット数50,000(→分解能10nm)のモード向けに、TL(直線描画)命令を用いて.CELファイルを記述しておき、それをEB装置上で.scon,.scbc,scccの各ファイルに変換した。パターンは左右方向に走るアスペクト比4:6の直線格子から構成され、「チャンネル」と呼ばれるセンサの8x8画素(寸法約12.4x12.4μm)~12x12画素(約18.6x18.6μm)の領域中では230nmから710nm程度の一様なピッチを持つ。パターン全体のサイズは対角1/1.8’’のCMOSセンサ相当の約6.5mm×4.8mm前後である。前年度までに描画条件は確立されており、本年度はその条件のまま複数の基板に描画を実施した。
結果と考察 / Results and Discussion
描画条件は次に記す通りである。
フィールドサイズ 500μm
ドット数 50,000 (分解能 10nm)
ビーム電流 7.7NA (7.5~8.1NAでほぼ同条件であることを確認済み)
dose time: 0.03μs
前述のTL命令を活用してL/S比4:6で500x500μm2フィールド全面にパターンを描画した際の所要時間の実測値は、約44.5秒/フィールドであった。また前年度まではいずれのMFAチャンネルも直線格子型だったが、今年度は描画時間を短縮するためにうち1つのチャンネルを無描画領域とした。この上に多層膜を積層しても干渉フィルタとしては動作するため、特に全体設計には影響がなかった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
なし
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 1.Saifa Moroda and Yasuo Ohtera, “RGB color image capturing utilizing imaging spectral encoder,” The 13th International Symposium on Photonic and Electromagnetic Crystal Structures (PECS-XIII) P-72, Tokyo, March 30, 2023.
- 2.大寺康夫, 辻寧英, 「多層膜型マルチスペクトル・フィルタアレイにおける膜厚最適化の検討」、電子情報通信学会エレクトロニクスシミュレーション研究会(EST), 石垣市, 2023年1月26日 / 信学技法EST2022-77 (2023-01).
- 3.諸田才風,大寺康夫,「擬似ランダムフィルタ型カメラと機械学習を用いた色再現の検討」,2022年映像情報メディア学会冬季大会, 13B09, 東京理科大学 森戸記念館/Zoom併用, 2022年12月22日.
- 4.諸田才風, 大寺康夫, 「多項式特徴量を追加したマルチスペクトルデータによる色再現の検討」, 令和4年度応用物理学会北陸・信越支部学術講演会 A01, 金沢工業大学, 2022年12月3日.<u>(発表奨励賞 受賞)</u>
- 5.倉田真輔, 大寺康夫, 「マルチスペクトル計測デバイスによる果物の糖度推定の検討」, 令和4年度応用物理学会北陸・信越支部学術講演会 A06, 金沢工業大学, 2022年12月3日.
- 6.倉田真輔, 大寺康夫, 「マルチスペクトル計測デバイスによる果物の品質推定の検討」, 2022年度電気・情報関連学会北陸支部連合大会(JHES2022) H-5, 2022年9月3日, オンライン.
- 7.諸田才風, 大寺康夫, 「マルチスペクトルセンサの色再現モデルに照明光が与える影響」, 2022年度電気・情報関連学会北陸支部連合大会(JHES2022) H-6, 2022年9月3日, オンライン.
- 8.諸田才風, 大寺康夫, "スナップショット型マルチスペクトルセンサの色識別性能の検討," 応用物理学会北陸・信越支部 第6回有機・無機エレクトロニクスシンポジウム, P-5, 朱鷺メッセ(新潟市), 2022年6月11日.
- 9.倉田真輔, 大寺康夫, "低コストマイコンを利用したマルチスペクトル計測デバイスの検討," 応用物理学会北陸・信越支部 第6回有機・無機エレクトロニクスシンポジウム, P-6, 朱鷺メッセ(新潟市), 2022年6月11日.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件