利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22TU0062

利用課題名 / Title

ヘテロ整合界面を有するSiCエピタキシャル成長技術開発とそれを用いたインテリジェントパワーICの実証 / Development of SiC epitaxial growth technology with lattice-matched heterointerfaces and demonstration of intelligent power ICs

利用した実施機関 / Support Institute

東北大学 / Tohoku Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

パワーエレクトロニクス,CVD,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,高周波デバイス,高品質プロセス材料,パワーエレクトロニクス,ナノエレクトロニクスデバイス,表面・界面・粒界制御


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

櫻庭 政夫

所属名 / Affiliation

東北大学電気通信研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

長澤弘幸((株)CUSIC), 佐藤茂雄(東北大学電気通信研究所)

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TU-310:レーザ/白色共焦点顕微鏡
TU-152:熱CVD


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

本研究開発は、SiC 半導体デバイスの低損失化と高信頼化をさらに推し進め、その普及を促進することを目的として、ヘテロ整合界面を有するSiCエピタキシャル成長技術とそれを用いた半導体デバイスを開発するものである。本年度は、4H-SiC表面の特定方位に延伸する形状加工を実施したうえで最密充填構造制御も行うことで、3C-SiCと4H-SiCの整合ヘテロ界面を有するエピタキシャル成長を実現した。

実験 / Experimental

微傾斜4H-SiC基板上に溝加工を施すとともに、表面に特定の最密充填構造のみを形成させるために熱CVD装置(TU-152)を用いて 大気圧水素雰囲気での熱処理も実施した。さらに、この熱処理サンプルに対してSiCエピタキシャル成長も実施し、レーザ/白色共焦点顕微鏡(TU-310)やSEM/EBSDを用いて、その成長前後でのSiC表面の形状・結晶構造を詳細に評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

溝加工・最密充填構造制御された4H-SiCウェハ上にエピタキシャル成長を行った結果、溝近傍に3C-SiCと4H-SiCが表面に同時に露出している様子を観察することに成功した(Fig. 1)。また、3C-SiC領域には双晶構造が含まれていないことも確認できた。この結果は、4H-SiC表面のテラス部分において4H-SiCのステップ制御エピタキシーが阻まれ、自発的にヘテロ整合界面を有する3C-SiCの2次元核が生成されることを示唆している。このことから、4H-SiCウェハへの溝加工によって3C-SiCの生成箇所と領域幅を一義的に決定でき、4H-SiCウェハ上に3C-SiC領域を搭載できるのみならず、4H-SiCと格子整合した高品質ヘテロ界面を利用した新規ヘテロデバイスの集積化の実現にもつながると期待できる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 SEM image of a fabricated simultaneous lateral epitaxy surface on 4H-SiC.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

関連する特許
[1]特許5307381号「半導体素子ならびに半導体素子製造方法」
[2]特許6884532号「SiC構造体の製造方法」
[3]特許6795805号「SiC積層体及びその製造方法、ならびに半導体装置」


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 1.長澤弘幸,櫻庭政夫, 佐藤茂雄,“3C-SiCと4H-SiCの同時横方向エピタキシャル成長”, 第83回応用物理学会秋季学術講演会(東北大学川内北キャンパス+オンライン), 口頭発表, 講演予稿集No. 20a-C306-5, 令和4年9月20日.
  2. 2.長澤弘幸,櫻庭政夫,佐藤茂雄,“同時横方向エピタキシャル法により形成した3C-SiCと4H-SiCの界面構造”, 応用物理学会先進パワー半導体分科会第9回講演会(福岡国際会議場), ポスター発表, No. IIA-4, 令和4年12月21日.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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