利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.23】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22TU0056

利用課題名 / Title

2次元シートデバイスの開発 / Development of 2D sheet device

利用した実施機関 / Support Institute

東北大学 / Tohoku Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

EB,ナノエレクトロニクスデバイス


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

加藤 俊顕

所属名 / Affiliation

東北大学 大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TU-065:エリオニクス 50kV EB描画装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

原子オーダーの厚みを持つ二次元シート状物質は、アトミックオーダーの構造的特長に加え,優れたキャリア移動度及び光透過性を持つことから、次世代のフレキシブルエレクトロニクスの中心材料として大きな注目を集めている。炭素から構成された二次元シート物質のグラフェンは最も有名であるが、バンドギャップがゼロであるため半導体応用が困難とされている。これに対し類似の2次元シート状構造を持ちかつバンドギャップを持つ材料として近年注目を集めているのが遷移金属ダイカルコゲナイドである。原子オーダーの薄さにより可視光を90%以上透過し、かつ機械的柔軟性にも優れているTMDは、フレキシブル透明太陽電池の発電層材料として大きな可能性を秘めている。そこで本研究では、TMD太陽電池に向け、デバイス形状の最適化を行った。

実験 / Experimental

【利用した主な装置】
エリオニクス電子ビーム(EB)描画装置 ELS-7500
【実験方法】
EB描画装置を用いて、レジストを塗布したSiO2/Si上に電極パターンを作製し、金属薄膜製膜後、リフトオフによりSiO2上に等間隔に配列したくし形電極を作製した。さらに、同様のEB描画を行い、くし形の対向電極を形成した。この時、電極に用いる金属種を変化させることで、金属種とデバイス特性の最適化を行った。なお、チャネル部のTMDに関しては、予めCVD合成した単層TMDをポリマー転写方により電極間に架橋した構造となるように配置した。合成したTMDの構造は光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡、及び原子間力顕微鏡で、光学特性は蛍光発光分光分析と空間マッピングによりそれぞれ評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

TMD太陽電池の実用化に向け、小規模デバイスを集積化して大面積太陽電池を実現することは極めて重要である。そこで、様々なデバイスパターンに対して、集積化した際の発電性能比較を行った。その結果、電極幅と長さで決まるアスペクト比に明確な閾値が存在し、閾値以下では開放電圧が限りなくゼロに近付くことが分かった。開放電圧低下の抑制をデバイス構造の最適化で回避可能であることを明らかとした本研究成果はTMDの透明太陽電池実用化の観点で重要な成果である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)



成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Xing He, Fabrication of near-invisible solar cell with monolayer WS2, Scientific Reports, 12, (2022).
    DOI: doi.org/10.1038/s41598-022-15352-x
  2. Toshiaki Kato, Scalable fabrication of graphene nanoribbon quantum dot devices with stable orbital-level spacing, Communications Materials, 3, (2022).
    DOI: doi.org/10.1038/s43246-022-00326-3
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. プレスリリース, 可視光の80%を通すほぼ透明な太陽電池を開発― 環境調和型次世代クリーンデバイスに貢献 ― 東北大学, 2022年7月12日
  2. プレスリリース, グラフェン量子ドットデバイスの集積化合成技術を開発 ― 次世代高性能量子コンピュータの実現に期待 ―, 東北大学, 2023年1月6日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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