【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.21】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22HK0074
利用課題名 / Title
固相イオン交換及びイオン伝導性を利用したキャリアドーピング法の開発
利用した実施機関 / Support Institute
北海道大学 / Hokkaido Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
電子分光,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
石川 大輔
所属名 / Affiliation
広島大学大学院先進理工系科学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
固相イオン交換を用いて分子性結晶へのキャリアドーピングを行い、有機材料における超伝導体作製を目指す。ARIMではXPS測定を行い、酸化状態を比較することでキャリアドーピングの可否を検討した。
実験 / Experimental
粉末試料を押し固めて形成したペレットサンプルを用いて測定を行った。測定した元素は酸素、炭素、ニッケル、硫黄である。
結果と考察 / Results and Discussion
炭素と酸素の2s軌道に関する測定ではピークのシフトは観測されなかった。ニッケルと硫黄に関してはピークのシフトが観測された。硫黄の2p3/2軌道に関する測定結果ではイオン交換前のサンプルで162.97 eVにあったピークトップがイオン交換後では163.47 eVと約0.5 eVほど高エネルギー側にシフトしており、酸化されていることが分かった。これはイオン交換によって導入された金属イオンとニッケルの間で電子移動が起きており、ニッケルと結合している硫黄の電子状態にも影響を与えたことが原因と考えられる。よってイオン交換によるキャリアドーピングは可能であることが示唆された。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1. イオン交換前後のXPS測定結果(黒がイオン交換前、青がイオン交換後)
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 石川大輔、藤林将、加藤智佐都、Cosquer Goulven、井上克也、西原禎文、芥川智行、中村貴義、"導電性Ni(dmit)2塩における固相イオン交換と物性評価(口頭)"、2022年日本化学会中国四国支部大会 広島大会(広島)、令和4年11月12日
- 石川大輔、藤林将、加藤智佐都、Cosquer Goulven、井上克也、西原禎文、芥川智行、高橋仁徳、中村貴義、"イオンチャネル構造を有する導電性Ni(dmit)2塩への2価金属イオン導入(口頭)"、日本化学会第103春季年会(2023)、令和5年3月24日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件