利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.14】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22HK0020

利用課題名 / Title

高炉スラグ固化体の微細構造と物性に関する研究

利用した実施機関 / Support Institute

北海道大学 / Hokkaido Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/Electron microscopy,資源循環技術/ Resource circulation technology,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

胡桃澤 清文

所属名 / Affiliation

北海道大学大学院工学研究院環境循環システム部門

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

内田悠,大多亮

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub),機器利用/Equipment Utilization


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

HK-101:ダブル球面収差補正走査透過型電子顕微鏡
HK-303:電界放出形電子プローブマイクロアナライザー


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

CO2排出削減の観点から混和材を大量に使用したコンクリートの製造が求められている。しかしながら混和材を大量に使用した場合には、普通ポルトランドセメントのみのコンクリートと比較すると材齢初期の強度発現が遅くなり養生期間を長くする必要がある。そこで本研究では高炉スラグやフライアッシュなどの混和材を混和したセメント硬化体の微細構造を観察しその違いを明らかにすることを目的とした。

実験 / Experimental

使用材料と試験体作製 普通ポルトランド(OPC)、高炉セメントB種(BB)、フライアッシュB種(FB)を用いてセメントペースト硬化体を作製した。水セメント比は0.5とし、20℃の恒温槽にて養生を行った。練り混ぜ後材齢3日まで封緘養生を行い、その後材齢28日まで水中養生を行った。
測定概要 養生後の試料はアセトンに2時間浸漬し水和反応を停止後40℃の恒温槽にて乾燥を行った。試料を5ミリ角程度にダイヤモンドカッターにて切断し、水和停止を行い乾燥後にエポキシ樹脂によって包埋し、エポキシ硬化後に表面研磨を行い、SEM観察およびEPMAによる元素分布測定を行った。EPMAの測定条件は、加速電圧15keV、5nA、プローブ径1μmにて256×256μmの範囲にて測定を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

図1にOPCのEPMAによって元素分布を測定した結果を示す。カルシウムとシリカが多く分布している様子が観察できる。特にカルシウムは大きな塊で存在している。図2にBBのEPMA測定結果を示す。こちらもカルシウムとシリカが多く分布している様子が観察できる。一方、高炉スラグ由来のマグネシウムの塊が多く分布している様子も観察できた。図3にFBのEPMA測定結果を示す。こちらもカルシウムとシリカが多く分布している様子が観察できるが、フライアッシュ由来のシリカの塊が分布している様子が観察できる。また、このシリカの分布と一致するように酸素が分布している。これはOPCやBBでは観察されなかった結果であり、酸素の分布を詳細に調べることにより未反応のフライアッシュを定量できる可能性が示された。以上の結果より高炉スラグとフライアッシュを混和したセメントにおいては、高炉スラグセメントではマグネシウムを検出し、フライアッシュでは酸素を検出することによって未反応の粒子を検出することができるかもしれない可能性が示唆された。今後異なる手法によって本手法の妥当性を検討する予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 OPCのEPMA観察結果



図2 BBのEPMA観察結果



図3 FBのEPMA観察結果


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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