【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.12.05】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NU0230
利用課題名 / Title
ナノオーダーの周期構造を用いた光学素子作製に関する研究
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
光学材料・素子,フォトニクス・プラズモニクス,メタ表面,リソグラフィ/Lithography,EB
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
元垣内 敦司
所属名 / Affiliation
三重大学大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
原田旺尭,赤塚かれん,江川夏基
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
加藤剛士,大島大樹,大住克史
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
今年度は、1次元金属回折格子構造を用いた表面プラズモンセンサー、2次元金属ナノホールアレイを用いた375nm波長選択光吸収体、金属メタ表面を用いた交差偏光デバイスの作製を目的として、電子線露光装置を用いた1次元ライン&スペースパターン、2次元円形ホールアレイ、2次元矩形ホールアレイの各パターンの作製と原子間力顕微鏡を用いたパターン形状の評価を行った。
実験 / Experimental
【利用した主な装置】電子線露光装置、原子間力顕微鏡
【実験方法】電子線露光装置を用いて、1次元ライン&スペースパターン、2次元円形ホールアレイ、2次元矩形ホールアレイの各パターンを作製し、作製したパターンを原子間力顕微鏡で観察し、目的のパターンができているかを確認した。
結果と考察 / Results and Discussion
最初に1次元ライン&スペースパターン、2次元円形ホールアレイ、2次元矩形ホールアレイの各パターンを用いたデバイス構造の設計を厳密波結合解析(RCWA)法により行い、レジスト厚さ100nm、加速電圧100kV、電子線照射条件を200μC/cm2を基準に単位面積当たりのドーズ量を何種類か変えたパターン(150μm角)を作製し、AFM観察により、最も設計値に近い形状が得られる電子線照射条件を決めた。図1(a)-(c)に作製した1次元ライン&スペースパターン(周期392nm、線幅とスペース幅196nm、ドーズ量120μC/cm2)、2次元円形ホールアレイ(周期300nm、円の直径170nm、ドーズ量200μC/cm2)、2次元矩形ホールアレイ(周期250nm、長方形の大きさ150nm×80nm、ドーズ量160μC/cm2)の表面AFM像を示す。どのパターンも設計通りのパターンが得られたものと考えられる。図1(a)のライン&スペースパターンは描画後にAuのスパッタリングとリフトオフを行い、Auの1次元回折格子構造からなる表面プラズモンセンサーを作製し、設計通りの動作をするセンサーを実現することができた。図1(b)と(c)のパターンについては、今後Alを真空蒸着して375nm波長選択光吸収体や交差偏光デバイスを作製する予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 作製した電子線露光パターンのAFM像((a)周期400nmの1次元ライン&スペース、(b) 周期300nmの2次元ホールアレイ、(c) 周期250nmの2次元ホールアレイ)
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本研究の実施にあたり、シミュレーションや日ごろからのディスカッションでご協力いただきました三重大学 名誉教授 平松和政氏に感謝いたします。本研究は科学研究費助成事業基盤研究(C)(20K05359)、(公財)立松財団特別研究助成、(公財)大倉和親記念財団研究助成によるものである。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Atsushi Motogaito, Fabrication and Operation Analysis of a Surface-Plasmon Sensor Using a Nonpropagating Mode, Plasmonics, 19, 2001-2009(2023).
DOI: 10.1007/s11468-023-02111-5
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- (1) Atsushi Motogaito, Seigi Shimizu, Karen Akatsuka and Kazumasa Hiramatsu, “ Fabrication of Wavelength-Selective Visible-Absorbing Filter for 405-nm by Surface Plasmon Resonance”, Proceedings of the 2022 Conference on Lasers and Electro-Optics Pacific Rim, P_CM16_16 (2022)
- (2) 元垣内敦司・清水清義・赤塚かれん・田中凌雅・平松和政、”表面プラズモン共鳴による近紫外・可視光波長選択光吸収体の作製”、電子情報通信学会光エレクトロニクス研究会、信学技報, vol. 122, no. 159, OPE2022-55, pp. 44-49 (2022)
- (3) 元垣内敦司・原田旺尭・平松和政、”金属回折格子における非伝搬モードを用いた表面プラズモンセンサーの作製と評価”、電子情報通信学会光エレクトロニクス研究会、信学技報、vol. 123, no. 161, OPE2023-76, pp. 77-82(2023)
- (4) 元垣内敦司・原田旺尭・平松和政、”金属回折格子における非伝搬モードを用いた表面プラズモンセンサーの作製と動作解析”、第84回応用物理学会秋季学術講演会、講演予稿集、21a-A309-6(2023)
- (5) Atsushi Motogaito, Akitaka Harada, and Kazumasa Hiramatsu, "Fabrication and Behavior Analysis of Surface Plasmon Sensor Using Non-propagating Mode in Metal Diffraction Grating", International Symposium on Imaging, Sensing, and Optical Memory 2023 (ISOM’23), Tu-A-03, Technical Digest, pp.35-36 (2023)
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件