【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.14】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NU0047
利用課題名 / Title
ローレンツ電子顕微鏡によるトポロジカル磁気構造の相互作用の解析
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
スキルミオン, ローレンツ電子顕微鏡, 磁気構造解析,電子顕微鏡/Electron microscopy,電子回折/Electron diffraction
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
長尾 全寛
所属名 / Affiliation
名古屋大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
清水大瑚,長瀬智輝,肖英紀,桑原真人
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
五十嵐信行
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
理論的な研究により、磁性体であるスキルミオンとアンチスキルミオン間の相互作用が、スキルミオンやアンチスキルミオンだけでは現れないユニークな性質をもたらすことが予測されている。近年、ホイスラー物質が268Kで共存相を示し、面内磁場によって楕円形のスキルミオンと正方形のアンチスキルミオンがトポロジカル変換することが実験的に発見された。しかし、共存相における相互作用は、それぞれ未解明のままである。本研究では、ローレンツ透過電子顕微鏡実験を用いて、ホイスラー材料のスキルミオンとアンチスキルミオンの共存相における相互作用を明らかにした。
実験 / Experimental
ホイスラー材料Mn1.3 Pt1.0 Pd0.1 Sn薄膜を対象に、スキルミオンとアンチスキルミオンを直接観察できるローレンツ電子顕微鏡法を用いて実験を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
本研究では、スキルミオンとアンチスキルミオン間の等方的な長距離斥力相互作用を明らかにした。図(a),(b)は、1.5分間に直径∼200nmの集束した電子ビームを用いて(a)右下の磁気構造を加熱消滅させる前(a)と後(b)のローレンツ電子顕微鏡像である。図(b)の矢印は(a)の位置から変位した向きと大きさを表している。この変位を解析によって、スキルミオンとアンチスキルミオン間の等方的な長距離斥力相互作用(図(c))があることが明らかとなった。この結果は、シミュレーションによっても支持された(図(d),(e))。この結果は、従来、短距離ペア相互作用を持つと考えられていたものと正反対の性質を持つことを初めて明らかにしたものである。
さらに、スキルミオンとアンチスキルミオンは、その間の距離に応じて変形していくことが分かった(図(f),(g)及び(h),(i)。)この結果もシミュレーションによって支持された。変形によってエネルギーランドスケープが変化するため、変形はスキルミオンとアンチスキルミオンの相互作用に大きな影響を与えていることが示唆された。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Daigo Shimizu, Nanoscale Characteristics of a Room-Temperature Coexisting Phase of Magnetic Skyrmions and Antiskyrmions for Skyrmion–Antiskyrmion-Based Spintronic Applications, ACS Applied Nano Materials, 5, 13519-13528(2022).
DOI: https://doi.org/10.1021/acsanm.2c03162
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件