利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.02】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KU1045

利用課題名 / Title

廃棄建材表面の石綿の可視化による迅速検出・画像解析法の開発と災害現場実証

利用した実施機関 / Support Institute

九州大学 / Kyushu Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials

キーワード / Keywords

アスベスト


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

Tabata Masaaki

所属名 / Affiliation

佐賀大学理工学部

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KU-504:レーザラマン分光光度計装置群
KU-505:紫外可視近赤外分光測定装置装置群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

災害時に排出される建材中のアスベストを現場で検出できる迅速簡易分析法を開発する。地震や水害などの災害により倒壊した家屋にはまだアスベストを含む建材が多い。それらは、ほとんど災害時には考慮されずに搬出・廃棄されている。撤去処理にはアスベストの確認が必要であるが、それには現場で使える廉価で簡単なアスベスト検出・分析法の開発が望まれる。本研究では建材表面を染色し実体顕微鏡(45倍)観察で容易にアスベストを検出・分析する方法を開発する。そのためには、染色した廃棄建材がアスベストを含むかどうかを確認し種類を同定しなければならない。更には、混入する繊維状物質の同定・確認が必要である。

実験 / Experimental

本研究では、建材表面で染色された物質がアスベストであるかどうかをラマンスペクトルで同定し、更に、共存する繊維状物質を赤外線スペクトルで想定する。この二つの試料の分析結果を比較することで、染色法による建材表面に分布するアスベストと繊維状物質の検出・分析する。  試料のラマン分光スペクトルは九州大学が所有する「KU-504 高速レーザーラマン顕微鏡」を、赤外吸収スペクトルは「KU-505 中赤外遠赤外吸収測定装置」を用いて測定した。微小な針状結晶であるアスベストならびに繊維状物質を検出し、それらを同定した。本研究では、災害地(熊本地震、東日本大震災および佐賀県豪雨災害)で採取した瓦礫サンプルや、通常の民家や建造物の解体時に発生したサンプルなど、計3サンプルと個々の試料の異なった着色箇所(計19箇所)について分析、比較を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

建材表面に分布するアスベスト及び繊維状物質は平らでなく微小な凹凸を繰り返していたので、正確なラマンスペクトルと赤外スペクトルの測地はは困難であった。ただ、いくつかの測定ではクリソタイル特有のラマンピークの一部を観測することができた。1000 cm-1のラマンピークは一置換ベンゼンなので、トルエン系やスチレン系などのプラスチックと考えられる。IRの自動照合でセルロースと表示されたのは、ラマンの結果を合わせるとプラスチック強化されたセルロースと考えれる。1500~2000 cm-1の範囲にあるIRの吸収はアスベストのようであ。測定した染色した建材表面の実体顕微鏡写真と測定点のラマンスペクトルを図1に示す。
 今回は予備的なデータしか得られなかったので、さらなる測定法と解析法を検討して、改善後次回測定する予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


染色した建材表面のアスベストの顕微画像(A)とラマンスペクトル(B)


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

Waste Management, 138(2022)180-188.
本研究は、環境省・(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費(1MF-2201)により実施した。 


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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