利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.04.25】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KU1029

利用課題名 / Title

近赤外発光を有する蛍光体の合成

利用した実施機関 / Support Institute

九州大学 / Kyushu Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion

キーワード / Keywords

赤外・可視・紫外分光/Infrared and UV and visible light spectroscopy,ナノ粒子


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

三千 広人

所属名 / Affiliation

鳥取大学院持続性社会創生科学研究科 工学専攻情報エレクトロニクスコース 電子物理工学研究室

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KU-507:近赤外蛍光分光装置群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

蛍光生体イメージングとは生体内に蛍光体を含む薬剤を注入、検出器を用いて生体内の動きを可視化する技術である。
生体イメージング用蛍光体の条件はナノ粒子サイズであること、生体適合性が高いこと、生体の窓と呼ばれる生体内での光損失が少ない波長域での励起・発光を有することの3つである。
これまでの研究で生体の窓内で励起・発光するMn5+を発光中心として水熱合成法による母体材料Ca2GeO4へのMn5+付活とナノ粒子合成に成功した。本研究では母体結晶Ca2GeO4におけるCaサイトのSr, Ba置換によるMn5+付活量増加の検討を行った。

実験 / Experimental

固相反応法で(Ca1-xMx)2GeO4:Mn5+(M=Sr, Ba)を作製した。出発材料CaCO3, GeO2, MnCO3, MCO3をアセトンで湿式混合し, 一次焼成600 ℃を6時間, 二次焼成1280 ℃を10時間行い、試料を取り出した。Sr, Baの添加比率xは0~0.2の範囲で変化させ, Mn濃度は全て0.5mol%で統一した。 

結果と考察 / Results and Discussion

Ba混晶実験において、XRD測定結果からBa添加試料の高角度側へのシフトと不純物相としてBa3CaGe2O8が確認され,Ba添加濃度x=0.15においてBa添加無しの約1.8倍の発光量を観測した。Ba混晶による低角度側へのシフトが確認されていないことから本実験ではBaは不純物Ba3CaGe2O8の生成に使われ、Ba混晶は起きていない可能性が考えられる。Ba添加濃度x=0.15において発光強度が増加した原因としては不純物Ba3CaGe2O8が生成されたことによる目的相Ca2GeO4のCa,Ge欠陥によってMn5+の付活が促進されたと考えられる。
Sr混晶実験に関してはXRD測定結果ではBa混晶実験ほどの顕著な角度のシフト、不純物は確認されなかった。PL測定結果からは添加無し試料よりも発光強度は低下したものの、添加濃度の上昇につれて発光強度も増加していたため、より添加濃度を上げれば発光強度が増加する可能性がある。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 2022年度応用物理・物理系学会中四国支部合同学術講演会
  2. 第70回応用物理学会春季学術講演会
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る