【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.15】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22KU1017
利用課題名 / Title
不均一系遷移金属触媒を用いた新反応開発
利用した実施機関 / Support Institute
九州大学 / Kyushu Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
不均一系触媒, 担持金属触媒,ナノ粒子
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
山本 英治
所属名 / Affiliation
九州大学大学院理学研究院化学部門 触媒有機化学研究室
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
黄啓安,邱逸飛,春口一騎,髙城悠太
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
固体触媒を用いた空気酸化反応は、環境負荷の小さな空気中の酸素を酸化剤として用いるため、理想的な酸化反応のひとつとして知られている。本研究では、PtやAuなど、アルコールの空気酸化反応において有力な貴金属ナノ粒子を担持した固体触媒について、 担持された金属種や担体中の元素などをXPSによって分析することで各成分の電子状態と反応成績(生成物収率、選択性)に関する相関関係を調べた。特にメタクロレインの酸化反応において効果的であったAu-Mn/TiO2触媒について述べる。
実験 / Experimental
Au-Mn/TiO2触媒は、塩化金酸水溶液をAu前駆体として用い、析出沈殿法を利用してAu(OH )x/TiO2として担持したのち、硝酸マンガン水溶液をMn前駆体とした含浸法でマンガンを担持し、300℃、30分間空気焼成することで調製した。また、触媒サンプルは、導電性カーボンテープで試料台に固定し, XPS装置(AXIS-ULTRA)に導入して,単色化Al Kα線を光源に用いてスペクトルを測定した。結合エネルギーはC 1sピーク(284.8 eV)で校正した。
結果と考察 / Results and Discussion
Au-Mn/TiO2は、金属種の担持量に関して、金を1wt%に固定した状態で、Mn担持量を0、0. 2、0.4、0.6、0.8、1 wt%と変更し、担持量の違いに由来するXPS Au 4f、Mn 2p スペクトルの変化とメタクロレインの空気酸化における反応収率との相関関係を調べた 。 その結果、最も高い収率および選択性を示した1wt%Au-0.6 wt%Mn/TiO2において、Au3+種 やMn4+種といった高原子価金、マンガン種が観測された。また、特にAuに関しては、Au 4f測定において検出された全Au種のうち、Au3+が占める割合が高いほど収率、選択性が 高くなる相関関係が観測された。これは、Au3+が反応系中においてルイス酸として働き 、アルデヒドを活性化し、水の求核攻撃を促進する、または、アルデヒドの活性点への 吸着を促進するなどの効果に由来すると推測している。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 邱逸飛・山本英治・村山美乃・加藤祐樹・二宮 航・徳永 信 メタクロレインの液相選択酸化反応におけるチタニア担持金触媒へのマンガン添加効果 第130回触媒討論会, 富山大学五福キャンパス, 9月20日(2022)口頭発表 1H08
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件