利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.31】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KU1008

利用課題名 / Title

転写因子の骨の老化と骨代謝における作用に関する研究

利用した実施機関 / Support Institute

九州大学 / Kyushu Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials

キーワード / Keywords

赤外・可視・紫外分光/Infrared and UV and visible light spectroscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

久木田 明子

所属名 / Affiliation

佐賀大学 医学部

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

村山雅俊

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KU-504:レーザラマン分光光度計装置群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

加齢による骨質の変化のメカニズムを明らかにするために、細胞老化に関与することが知られているNupr1という転写因子の19か月齢老齢雄ノックアウトマウスを用いて、大腿骨のミネラル及び骨基質タンパク質を測定し、老齢雄野生型マウスと比較を行った。

実験 / Experimental

マウスから大腿骨を取り出し、70%エタノールで固定、脱水した後、テクノビット樹脂に包埋した。大腿骨の骨幹部の骨膜表面に隣接する領域を、高速レーザーラマン顕微鏡ナノフォトンRAMANtouchを用いて、533 nmのレーザーを使用して測定を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

野生型及びノックアウトマウスの大腿骨の骨幹部の骨膜表面に隣接する3つの領域(200 mm×60 mm)のミネラルとコラーゲンマトリックスを分析した。959cm-1のリン酸バンド、1070cm-1の炭酸バンド、856cm-1のコラーゲンプロリンバンドなど、いくつかのミネラルバンドが検出された。炭酸塩とリン酸塩の比[CO32- (1070 cm-1)/ PO43- (959 cm-1) ]は、野生型とノックアウトマウスにおいて差が見られなかったが、大腿骨の3つの領域のうち2つの領域において、ミネラル対マトリックスの比を示すリン酸塩対プロリン比[PO43- (959 cm-1)/ Proline (856 cm-1) ]が、野生型マウスと比較しノックアウトマウスにおいて著しく低下していた。これらの結果から、転写因子Nupr1の欠損が骨のミネラル化を低下させ、Nupr1が加齢における骨質の調節に関与する可能性が示唆された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

貴重なご助言、ご指導をいただきました九州大学大学院工学研究院応用化学部門 利光史行先生、ご支援とご指導をいただきましたナノプラットフォームの柿田有理子氏に感謝いたします。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Masatoshi Murayama, Nupr1 deficiency downregulates HtrA1, enhances SMAD1 signaling, and suppresses age‐related bone loss in male mice, Journal of Cellular Physiology, 238, 566-581(2023).
    DOI: 10.1002/jcp.30949
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る