利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KU0047

利用課題名 / Title

STEMによる水電解触媒の構造及び劣化挙動評価

利用した実施機関 / Support Institute

九州大学 / Kyushu Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/Electron microscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

鈴木 宏明

所属名 / Affiliation

フルヤ金属株式会社 製造・研究開発本部 化成品研究開発部

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

山本 知一

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KU-016:低温域観測型・高分解能電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

太陽光や風力などの再生可能エネルギーの利用促進為には変動する電力を安定に貯蔵利用できる技術としてPEM水電解が注目されている。再生可能エネルギーの余剰電力を利用し水を水素と酸素に電気分解することで水素を新たなエネルギーとして利用できる技術である。このPEM水電解のアノード側で使用される触媒としてイリジウム酸化物が使用されている。しかしながらイリジウムは貴重な金属であり高価であることからイリジウム使用量の削減が求められている。本実験では開発したイリジウム系酸化物を「新高分解電子顕微鏡JEM-ARM300F2」を用いて結晶構造や組成状態などを評価した。

実験 / Experimental

塩化イリジウムと塩化ルテニウムの混合溶液中に加熱攪拌しながらアルカリ共沈法と呼ばれる製法で水酸化ナトリウム溶液を滴下しイリジウムルテニウム水酸化物を作製した。このイリジウムルテニウム水酸化物を大気下で焼成を行いイリジウムルテニウム酸化物を作製した。作製した試料を九州大学超顕微鏡解析センター保有の高分解STEM観察およびSTEM-EDX分析により評価を行った。
利用装置:広電圧超高感度原子分解能電子顕微鏡 JEM-ARM200CF

結果と考察 / Results and Discussion

アルカリ共沈法で作製したイリジウムルテニウム酸化物の資料について観察を行ったところ、1次粒子は約4-6 nmであることが分かった。しかしながらアルカリ共沈法で作製したサンプルは、作製工程の中で凝集してしまうプロセスが存在することが要因で1次粒子が密に凝集していることが分かった。
STEM-EDXからはイリジウムとルテニウムと酸素の元素分布を確認したところ、一部組成にバラつきはあるがイリジウムとルテニウムが固溶した酸化物であることが確認できた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1.イリジウムルテニウム酸化物のSTEM観察


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

謝辞 
本研究は、透過電子顕微鏡解析ににおいて、九州大学の山本知一様、川見洋一郎様に大変お世話になりました。また環境省の業務委託「令和4年度地域資源循環を通じた脱炭素化に向けた革新的触媒技術の開発・実証事業」の支援を受けて行いました。深く感謝申し上げます。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る