利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.25】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AE0037

利用課題名 / Title

CVDグラフェン上に作製された有機分子薄膜のリアルタイム表面反応

利用した実施機関 / Support Institute

日本原子力研究開発機構 / JAEA

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

層状半導体,有機薄膜


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

大野  真也

所属名 / Affiliation

横浜国立大学大学院工学研究院

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

藤田凌太,塚本威吹

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

津田泰孝,吉越章隆

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AE-010:表面化学実験ステーション


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

CVDグラフェンは、安価で大面積な試料が市販で供給されており、FET/LED等の電子素子だけでなく触媒材料や電極材料としても幅広い用途での応用が期待される物質である。その機能性を強化するために有機分子によるドーピング、或いはグラフェンと有機分子のハイブリッド構造によるPtフリーな触媒の開発など多面的な研究が展開している。そこで本研究では、有機分子/グラフェン界面の電子状態を解明することを目的として放射光XPSを用いた解析を進めた。

実験 / Experimental

本研究では、SPring-8 BL23XUの表面化学実験ステーション(SUREAC2000)を用いて光電子放出角90°, X線エネルギー711 eVの条件でC1s内殻および補足としてO1s, Si2p内殻の測定を行った。有機分子としてFET/LED応用に有望なオリゴチオフェン分子(6T)を選択した。有機薄膜の厚さ5Å-300Åの試料を予め準備した。また、比較対照のためSiO2基板上に蒸着した試料も準備した。

結果と考察 / Results and Discussion

本研究では、最終目標として真空蒸着により作製された有機薄膜の解析を目指している。本課題と平行して膜厚計の導入を進めていたがマシンタイムには間に合わなかった。そこで、主たる解析の対象として予め有機薄膜が蒸着されたCVDグラフェン試料を複数準備した。 まず、C1s内殻の一連の測定において6Tに由来する成分を明瞭に捉えることができた。その膜厚依存性から膜厚変化に伴い薄膜の電子状態が変化することが推定される。さらに、SiO2上での薄膜ではその違いはより顕著である。このことは、6T薄膜の成長様式およびその電子状態に対して基板との相互作用が大きく寄与していることを明瞭に示しているといえる。構造と電子状態の対応の起源を解明するため、原子間力顕微鏡、顕微ラマン分光、顕微フォトルミネッセンス分光による計測を合わせて進めている。また、FETを作製し伝導特性との相関も調べている。  これらの主要な結果に加えて6T薄膜への加熱効果(50-200℃)についての知見を新たに得ることができた。6T薄膜の電子状態が加熱により変化することが明らかにされた。これまで、実験室レベルで同様の測定を行っていないが、上記と同様に複数の手法での解析を試みることによりその要因を明らかにする予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究の一部は、科学研究費補助金(23H01847)の助成を受けて行われた。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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