【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.25】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23AE0035
利用課題名 / Title
ゲルマニウム単結晶上に作製したハフニウム堆積膜表面界面の化学状態を選別した酸化反応機構の解明
利用した実施機関 / Support Institute
日本原子力研究開発機構 / JAEA
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
薄膜合成,高誘電率材料,表面反応制御,化学状態分析,接合界面酸化
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
垣内 拓大
所属名 / Affiliation
愛媛大学大学院理工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
本田優斗,澁谷陽斗,白方憲伸
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
津田泰孝,吉越章隆
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ゲルマニウム(Ge)は、シリコン基板よりも電子・正孔移動度が共に高い優れた半導体基板である。一方、ハフニア(HfOx)は、化学組成、結晶構造、および添加物の量によって常誘電体や強誘電体にもなる特徴を持つ酸化物材料である。これらを組み合わせることで、従来よりも高い移動度を持つ電界効果トランジスタや強誘電体トランジスタの開発が期待される。本研究では、清浄なGe基板上にハフニウム(Hf)金属膜を作製し、その表面界面の化学組成を放射光光電子分光法(SRXPS)によって分析した。さらに、酸素分子を曝露しながらSRXPSを実施することで、表面界面の化学状態変化から酸化反応を追跡し、酸化生成物の同定とHf、Ge、Oの深さ分布を考察した。 本成果は、基礎科学的価値だけでなく、半導体素子の積層構造構築技術や化学状態制御による物性発現研究にフィードバックできる。
実験 / Experimental
放射光施設SPring-8のBL23SU(表面化学実験ステーション)にて、酸素分子曝露を断続的に繰り返しながらSRXPSでHf 4f、Ge 3d、およびO 1s内殻スペクトルを測定した。得られた結果はVoigt関数で成分分離し、化学状態分析を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
Ge(100)-2×1清浄表面を作製後、その表面にHfを2原子層相当堆積させた。SRXPSの結果、HfとGeはすぐさま反応し、表面成分と界面成分のHf Germanide(HfxGeyと表記)を形成することが分かった [HfxGey/Ge(100)]。HfxGey/Ge(100)の酸化は、界面から表面へと逆に進行することが示唆された。また、Ge基板まで酸化が進行すると界面からGeが放出/偏析してHf酸化物が還元(Hfが4価から3, 2価へ)されることが分かった。現在は、還元が起こる理由についてより表面敏感な角度でのSRXPS測定から明らかにする実験を計画中である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
なし。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件