利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AE0027

利用課題名 / Title

化学気相成長グラフェン表面への分子積層とその表面構造変化

利用した実施機関 / Support Institute

日本原子力研究開発機構 / JAEA

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

表面構造,二次元材料,スピン偏極電子


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

八木 一三

所属名 / Affiliation

北海道大学大学院地球環境科学研究院

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

岡 紗雪,鈴木幸四郎

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

保田 諭,田村和久 

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AE-005:カッパ型多軸回折計


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

グラフェンは、複数層の形成により様々な機能を賦与できることや他の二次元材料とのヘテロ接合が可能であることから、新しい機能材料の創製などが精力的におこなわれている。また、ピレンなどやや大きなπ電子系をπ-π相互作用により固定できることから、それらをアンカー官能基とすることで、グラフェン表面の機能化も報告されている。しかし、グラフェン/金属表面に積層されたグラフェン層やピレン分子がどのような構造や配置を取るのかについてはあまり検討されていない。また、電位印加時の界面構造についても知見がない。本研究では、金属表面上のグラフェン表面に、もう1枚のグラフェンを転写した二層グラフェンや、グラフェン上に官能基を有するピレン分子層を形成した化学修飾グラフェンを構築し、その作製方法や前処理方法などを変えながら、表面X線回折(SXS)により構造を精査し、さらには電位を変化させたときの構造変化を捉えることとした。

実験 / Experimental

BL-22XUに設置されているκ型回折計に分光電気化学セルを設置し、その試料として最表面に単層グラフェン(Gr)を化学気相成長(CVD)により形成したGr/Au(111)もしくはGr/Pt(111)単結晶ディスクを電極として固定した。二層グラフェンについては、事前にCu箔上に形成した単層グラフェンをGr/Au(111)ディスク表面に転写し、Gr/Gr/Au(111)を形成した。セル内には白金対極とAg|AgCl参照電極を配置して50 mM 硫酸水溶液中で電位印加状態での結晶トランケーションロッド(CTR)計測を行った。分子修飾実験ではピレンブタン酸(Pyr-BA)を溶液中に導入した状態で実施した。

結果と考察 / Results and Discussion

溶液中に5 mM Pyr-BAが存在する状態でGr/Au(111)のCTRを測定すると、Gr/Gr/Au(111)に似た形状のCTR曲線が得られた。また、面内XRDを測定すると、Gr/Au(111)と同様、Au(111)表面が再構成した状態のままであることがわかった。ただし、電位依存性を測定すると、再構成が若干解け、(1x1)ピークが可逆に変化する様子が観察された。これは単層Gr/Au(111)では観測されなかった挙動である。一方、Gr/Pt(111)では、水素吸着領域でCTRの顕著な変化が非常にゆっくりと観測された。これらについては2024A期の実験で再現性を確認する。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

なし。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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