利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AE0019

利用課題名 / Title

In-situ XAFSによるCOガス環境下におけるFe添加貴金属触媒のH2-O2反応機構解明研究

利用した実施機関 / Support Institute

日本原子力研究開発機構 / JAEA

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

Metal nanoparticle catalyst, Cerium oxide, hydrogen oxidation, CO poisoning, X-ray absorption spectroscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

田中 裕久

所属名 / Affiliation

関西学院大学理工学部 先進エネルギーナノ工学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

青谷拓朗,上垣伸弥,中山智仁,神処一樹,濱田翔太

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

松村大樹,辻卓也

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AE-006:エネルギー分散型XAFS装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

本研究では原子力安全の重要基盤技術における、シビアアクシデント時の溶融燃料とコンクリートとの相互作用(MCCI)によって発生するCOガスによる触媒被毒に注目した。そこで、各種Fe添加触媒に対する担体によるCOガスの影響と反応メカニズムを解明するために「その場」XAFS測定を行った。

実験 / Experimental

COガスの吸着と脱離のメカニズムを解明し、Fe添加による触媒の構造の違いが反応性の違いにどのように影響を与えているのかを明らかにし、被毒成分によってH2-O2反応が阻害されない適切な担体材料を探索する。Si(422)結晶を湾曲させたポリクロメーターをLaue配置でFe K-edge(7111.2 eV)近傍のエネルギーを持つX線を250eV程度の幅で検出する。検出器には蛍光体とCCDカメラを用い、蛍光体に白色X線が当たるように配置することで発生した可視光をCCDカメラにて記録した。測定に際しては、毎測定の最初に白色X線の強度とFe箔のXAFSスペクトルを測定した。測定を行う際にはCOガス共存下において水素ガスと酸素ガスをそれぞれ100秒間ずつ交互に試料に導入し測定を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

ガス切り替えに対するFe添加Pt触媒のXAFSスペクトル変化としての応答速度に着目すると、O2/H2交互フローにおいてはどのFe添加Pt触媒でもXAFSスペクトルの変化の応答が速やかに行われているが、O2/CO交互フローの場合、PtFe/CZY、PtFe/CZY-Lにおいて、O2導入後のedge energyの変化がガス切り替えに対して観測されなかった。同様にO2導入後の変化をPtFe/Al2O3で見てみると、ガス切り替えの回数が増えるにつれ、変化が小さくなっていることが見て取れた。 O2/H2+CO交互フローに着目すると、PtFe/CZY においては、O2導入後のedge energyは少しではあるが観測された。また、PtFe/CZY-LにおいてはO2/CO交互フロー時と同様に変化が見られなかった。一方、PtFe/Al2O3では、O2/CO交互フロー時の結果を見ると、ガス切り替えの回数が増えてもedge energyの変化量は変わらなかった。ラボの実験において、PtFe/CZY-L、PtFe/CZY、PtFe/Al2O3の順にCO共存下における水素酸化反応を促進するため、FeはO2を供給する重要な成分であり、CO酸化反応に必要なO2の供給源として有効であることと、Fe添加により、触媒の活性点である貴金属粒子上へのCO吸着を軽減する効果があると考えられる。また、peak shiftにおいて正方向へのわずかなシフトが観察された。H2フローであるため、H2の吸着と考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は、JST SICORP、JPMJSC21C3 の支援を受けたものです。量子科学技術研究開発機構 23QS0108、23QS0006


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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