利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.15】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23KT1050

利用課題名 / Title

面取り矩形支持ばねを用いた(100)単結晶シリコンリング型振動ジャイロ

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

振動ジャイロスコープ, リング型振動子, ワイングラス振動モード, (100)単結晶シリコン, モードマッチング, 理論解析,MEMS/NEMSデバイス/ MEMS/NEMS device,光リソグラフィ/ Photolithgraphy,3D積層技術/ 3D lamination technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

Amit Banerjee

所属名 / Affiliation

京都大学 大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

高橋歩夢

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-103:レーザー直接描画装置
KT-110:レジスト現像装置
KT-111:ウエハスピン洗浄装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

IoT 社会の到来により, 小型で低価格なセンサの需要が高まる中, 半導体微細加工技術で製作される微小電気機械システム(MEMS)の振動ジャイロが注目を浴びている. MEMS 振動ジャイロは一定周期で振動する振動子で構成され, 回転時に生じるコリオリ力による振動方向の変化を検出することで, 角度や角速度を測定できる. 先行研究では加工コストが低い(100)単結晶シリコンを使用し, その弾性率の異方性を補償する面取り構造を持つ図1 に示す円環型ジャイロを提案, 有限要素法による数値解析を用いて支持梁の寸法を最適化した(参考文献1).
しかし, 有限要素解析による設計は計算コストが高く, 多数の部材からなる支持梁の形状寸法の最適化は時間コストの面で困難である. そこで, 本研究では円環型ジャイロの効率的な構造設計, 寸法最適化のために構造材の弾性率異方性を考慮した理論解析法を提案する. また, 解析値と実験値との比較のため, デバイス作製を行っている. 

実験 / Experimental

レーザー直接描画装置(KT-103,DWL2000,Heidelberg Instruments)を用いてマスクブランクスに図2のパターンを描画した後, レジスト現像装置を用いた現像液(KT-110,SD-1, トクヤマ)による現像, 無機ドラフトチャンバーでのクロムエッチング液(エスクリーンS-24, 佐々木化学薬品)によるエッチング, ウエハスピン洗浄装置 (KT-111,KSC-150CBU, カメナックス) を用いてピラニア洗浄を行った.
金属パターン転写用のマスクとデバイス転写用のどちらも5インチマスクブランクスを使用した. デバイスパターンのフォトマスクには, ➀面取り構造の面取りの割合が5種類のパターン➁幅が5 µmの直線梁が8方向に伸長したパターン(加工誤差の要因を探る)③ディスク型のパターン④リングの周りの電極の大きさが5種類のパターンのデザインを配置した. 

結果と考察 / Results and Discussion

有機ドラフトチャンバーにてアセトンにマスクを浸漬することでレジストを剥離する際, 少しレジストが残ってしまったため, 再度アセトンにマスクを浸漬して、プロセス用のフォトマスクを作製した.現在、図3に示すウエハプロセスが進行中である. 

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig 1.   (left) Ring resonator design and (right) in-plane Young’s modulus of (100) silicon.



Fig. 2   Mask drawing



Fig. 3   Fabrication process.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献
1)Shuya Okayama, Amit Banerjee, Jun Hirotani and Toshiyuki Tsuchiya“ A New Design of Mode-Matched (100) Silicon Ring Gyroscope with Chamfered Rectangle Springs Immune to Fabrication Error”, 2023 IEEE International Symposium on Inertial Sensors and Systems, Lihue, HI, USA, (March 28-31, 2023), A2L-A-3.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 高橋 歩夢, 岡山 修也, Amit Banerjee, 廣谷 潤, 土屋 智由, “面取り矩形支持ばねを用いた(100)単結晶シリコンリング型振動ジャイロの理論解析”, 応用物理学会 集積化MEMSシンポジウム, 熊本城ホール, 2023年11月6-9日, 8A2-D-5.
  2. Ayumu Takahashi, Shuya Okayama, Amit Banerjee, Jun Hirotani and Toshiyuki Tsuchiya, “Theoretical Analysis of (100) Silicon Ring Gyroscope with Chamfered Rectangle Springs”, 2024 IEEE International Symposium on Inertial Sensors and Systems, Hiroshima, Japan, (March 25-28), 6040.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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