【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.07】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NI0201
利用課題名 / Title
紫外プラズモニック材料の開発
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋工業大学 / Nagoya Tech.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
電子顕微鏡/ Electronic microscope,X線回折/ X-ray diffraction,電子分光/ Electron spectroscopy,ナノ粒子/ Nanoparticles
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
本田 光裕
所属名 / Affiliation
名古屋工業大学大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NI-017:精密形状測定・局所磁気測定・局所電気特性評価装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
光と金属ナノ材料が相互作用すると、光電場がナノ構造に局在化する。紫外光の局在化を利用し、紫外領域に感度を示す酸化チタン光触媒の活性増強や有機物の高感度検出・分光計測などへの応用が実証されている。ただし、紫外光領域において利用できる金属は卑金属に限定されており、その化学的不安定性による感度や利用できる波長の変動が課題となっている。我々は、合金の化学的・物理的安定性に着目し、紫外光で利用可能な合金ナノ粒子の作製を行った。紫外光領域に感度を示す金属としてAlとMgを選択し、パルスレーザー堆積による合金ナノ構造の作製および構造と光学特性の検証を行った。
実験 / Experimental
パルスレーザー堆積法を用いて石英基板上にナノ構造薄膜を作製した。レーザーとしては、Nd:YAGの266 nm、ナノ秒パルスを用いた。金属の酸化を防ぐために、2×10-4 Pa以下の真空下でAl及びAlMg合金ターゲット(Mg:3%, 50%)をアブレーションし、レーザーパワーは、350 mW/cm2 程度となるように調整した。作製されたナノ粒子の吸収スペクトルを測定し、局在表面プラズモン共鳴波長の観察を行った。また、走査型電子顕微鏡を用いて作製されたナノ構造形状・サイズの観察を行った。X線回折や透過電子顕微鏡によりAlMgナノ構造の組成や酸化膜をAlと比較し評価した。
結果と考察 / Results and Discussion
生成した粒子のサイズは約30 nmであった。作製したナノ粒子の吸収スペクトルより、Al、AlMg(Mg3%)、AlMg(Mg50%)がそれぞれ243、277、262 nmに共鳴波長が位置することがわかった。最も短波長でプラズモン共鳴ピークを示したナノ構造はAlであり、これはサイズと誘電関数から妥当な結果である。作製したAlMg合金ナノ粒子(Mg50%)は、AlおよびAlMg合金からなる多結晶であり、Alが析出していることがXRD及び透過型電子顕微鏡観察により分かった。また、構造表面ではマグネシウムを比較的多く含む酸化膜が出来ていると推察される。酸化膜の厚みは、EDSマッピングより、3.7±0.7 nmであった。内部のAlを多く含んだ合金ナノ構造は、このMg酸化被膜によって保護されていると考えられる。さらに、AlMg(Mg50%)を大気中に暴露した際のプラズモン共鳴波長の経時変化を観察したところ、242 nmから246 nmにシフトした。これは、合金表面の酸化が進行して酸化膜の厚みが増加することが原因と推察される。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件