【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.07】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23MS8001
利用課題名 / Title
培養型プレーナーパッチクランプのセンサーチップ微細加工
利用した実施機関 / Support Institute
自然科学研究機構 分子科学研究所 / IMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
プレナーパッチクランプ, イオンチャンネル, SOI基板,バイオセンサ/ Biosensor,リソグラフィ/ Lithography
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
宇理須 恒雄
所属名 / Affiliation
株式会社NANORUS
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
長岡 靖崇,王志宏
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
高田 紀子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
我々は神経細胞の異常を解析するための細胞表面に存在する多種多様なイオンチャンネルを解析する装置として、培養型プレーナーパッチクランプ技術を開発し、製品化を目指している。本研究で使用する細胞培養基板では、近接した直径2umおよび直径5umの微細貫通穴の真上に神経細胞を培養し、5um穴から吸引して細胞の密着性を高め、2um穴の裏面から細胞膜を穿孔してパッチクランプ法によってチャンネル電流を計測する。5um穴からの吸引によってパッチクランプ時のシール抵抗を大きく向上させることを目標とする。細胞を培養するシリコン基板に必要な微細構造を形成するために分子研装置開発室のマスクレス露光装置を使用した。
実験 / Experimental
シリコン基板裏面に2um穴および5um穴につながる流路を形成するため、分子研装置開発室の装置を使用してSOI基板裏面をクロムおよびAZレジスト塗布し、マスクレス露光装置でパターニングを行った。別所にてドライエッチング装置で裏面のパターンをSiO2層までエッチングした。その後の工程の微細貫通孔、基板表面の細胞位置固定のための柵構造のパターニングは、非常に精度の高い位置合わせが必要だったため分子研装置開発室のEB露光装置を使用した。
結果と考察 / Results and Discussion
マスクレス露光装置を使った裏面構造のパターニングは、特に大きな誤差なく設計通りに形成することができた(図1、2)。今後今回作成した基板上での細胞培養、パッチクランプ電流測定を行い、吸引によるシール抵抗の向上が見られるか検証する予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 本研究で作成した基板裏面の写真。右上の構造が5um穴につながる流路、左下の構造が2um穴につながる流路。先端凸部分の基板表面に微細穴が形成されている。マスクレス露光装置でパターン形成した後、エッチングした。スケールバーは100um。
図2 図1と同じ基板の表面の写真。裏面からの透過光で図1の裏面流路が赤く見えている。中央の柵構造の内側で5um穴および2um穴が黄色く光って見えている。スケールバーは50um。
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
「第9次ものづくり・商業・サービス⽣産性向上促進補助⾦」の支援にて実施しました。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- T.Urisu, “Incubation Type Planar Patchclamp” 16th International Symposium on Nanomedicine, Osaka, 20-22, November 2023.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件