【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.26】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22KU0007
利用課題名 / Title
固溶金属ナノ粒子の原子レベルでの固溶化確認
利用した実施機関 / Support Institute
九州大学 / Kyushu Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
貴金属系合金,微粒子,電子顕微鏡/Electron microscopy,ナノ粒子/ Nanoparticles
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
小林 大哉
所属名 / Affiliation
日本曹達株式会社小田原研究所材料開発研究部 (千葉リサーチセンター)
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
桑本 航,中村 光宏
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
村上 恭和,山本 知一,鳥山 誉亮
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KU-002:収差補正走査/透過電子顕微鏡
KU-004:広電圧超高感度原子分解能電子顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
合金ナノ粒子化は、単金属と異なる電子状態や性質を示す為に、触媒活性の向上が期待できる。実際、白金と銅元素からなる固溶合金ナノ粒子であるPtCu NPsは、燃料電池の酸素還元反応 (ORR)1や水電解の水素発生反応 (HER)2 などの電極触媒として優れた性質を有することが報告されている。今回、PtCu NPsの用途開発を目的とした合成を実施したため、九州大学超顕微解析研究センターが所有する収差補正走査/透過電子顕微鏡にて、その合金化の有無を検証した。
実験 / Experimental
JEM-ARM200 STEM装置を用い、加速電圧200 kVで高分解能STEM測定、STEM-EDXマッピングおよびライン分析を実施した。
結果と考察 / Results and Discussion
STEM-EDXマッピング (Figure 1)およびライン分析 (Figure 2)から、各粒子中に白金と銅は原子レベルで固溶していることを確認した。ライン分析によって、粒子中のPt:Cuの原子構成比は、約1:1で構成されていることが明らかとなった。さらに、粒子径は約5-10 nm程度であった。 収差補正走査/透過電子顕微鏡による高分解能STEM解析は、粒子形状や組成を正しく把握する上で、必要不可欠な分析ツールである。今後は、粒子形状・組成・構造と機能との相関を結び付け、高機能な材料創出を志向したい。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Figure 1. HAADF-STEM image of PtCu NPs, Pt-M and Cu-K STEM-EDX maps, and reconstructed overlay image of the maps (green, Pt; red, Cu).
Figure 2. Compositional line profiles of Pt (green) and Cu (red) recorded along the arrow shown in the STEM image.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献:1) Lu, B.-A.; Sheng, T.; Tian, N.; Zhang, Z.-C.; Xiao, C.; Cao, Z.-M.; Ma, H.-B.; Zhou, Z.-Y.; Sun, S.-G. Nano Energy 2017, 33, 65–71. 2) Dai, L.; Zhao, Y.; Qin, Q.; Zhao, X.; Xu, C.; Zheng, N. 2016, 2, 776– 780. 本研究(の一部)は、文部科学省委託事業マテリアル先端リサーチインフラ事業課題として九州大学微細構造解析プラットフォームの支援を受けて実施されました。透過電子顕微鏡解析において、九州大学の村上恭和 教授、山本知一 助教、鳥山誉亮 テクニカルスタッフにお世話になり深く感謝いたします。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件