利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.24】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23MS1064

利用課題名 / Title

生体に含まれる脂質分析のための脂肪酸NMR情報の収集

利用した実施機関 / Support Institute

自然科学研究機構 分子科学研究所 / IMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

脂肪酸, NMR,核磁気共鳴/ Nuclear magnetic resonance,核磁気共鳴/ Nuclear magnetic resonance


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

福永 雅喜

所属名 / Affiliation

生理学研究所生体機能情報解析室

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

梅田 雅宏,日置 麻也

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

長尾 春代

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

MS-233:高磁場NMR(600MHz溶液)
MS-237:高磁場NMR(600MHz溶液)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

我々は、現在、自然科学研究機構 生理学研究所が所有する超高磁場7テスラMRI装置を用いて、ヒト生体を対象とした骨格筋代謝物質計測法の最適化および確立を目的とする研究を進めている。磁場強度の上昇は、感度上昇に加え、スペクトル分解能の向上をもたらすが、現在、ヒト用7TMRIを用いた研究は脳など神経系が主体であり、運動器とくに筋肉に関連するMRS研究はわずかである。本研究は、ヒト生体の筋肉を構成する代謝物と同等の各種物質をNMRにて計測を実施し、生体筋を対象とするMRS計測時のリファレンスとなるスペクトルを収集することを目的とする。我々は、筋分画に含まれる代謝物としてとくに脂質に着目しており、ヒト生体筋肉を7テスラMRSで計測時に、生体内の脂肪がどのような脂肪酸(パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸など)から構成されるかの検証を進めている。この情報を基に、7テスラの生体筋MRSのスペクトルと照合した結果、一部の脂肪酸ピークに不一致が見られ、脂肪の代謝産物であるアセチル-L-カルニチンやその他、筋のエネルギー代謝に関連するグリコーゲン、グルコース、その代謝物など低分子を含むリファレンススペクトルの収集を行う。

実験 / Experimental

重クロロホルムを溶媒、基準物質としてTMSを利用して5mmΦのチューブ(5 mm Royalおよび5 mm HCNFG3)に、タウリン、αリノレン酸、γリノレン酸および牛脂、オリーブオイルをサンプルとして用意。高磁場NMR 1H600MHz溶液 JNM-ECA600およびJNM-ECZL600Gを利用して1H-NMR計測を行った。計測方法は、1H-NMR(1D)、J resolve 1H-NMR, 1H-1H-COSYとした。

結果と考察 / Results and Discussion

脂肪酸3種と牛脂、オリーブオイルを用いて、1H一次元スペクトル、その後、二次元スペクトル、COSY (1H-1H)、decoupling, non-decoupling をそれぞれ実行し、Delta (解析ソフト) を用いてデータ処理を行い、評価した。一次元スペクトル評価では、良好な分解能データが得られ、原子団判別とラベル付けが行えた。二次元スペクトルでは、1Hの3つを介したスピン結合、n結合を介したロングレンジスピン結合を確認した。今後、この情報を用いて、LCModelなどのフィッティングプログラムに各ピークを加えて脂肪酸解析を行い、7テスラMRSから得られたヒト骨格筋MRSによる脂肪酸同定と定量化を進めていく予定である。また、7T MRSを用いた生体内脂肪酸の検出ではプロトンdecouplingは実行できないため、高分解能NMRによりdecouplingとnon-decouplingデータを取得した。これらのデータについても7T MRS生体内脂肪酸と照合し (組み合わせ)、解析を進めていく。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Maya Hioki, In Vivo Determination Of Human Skeletal Muscle Fatty Acids By1H-MRS At 7 Tesla, Medicine & Science in Sports & Exercise, 55, 815-816(2023).
    DOI: 10.1249/01.mss.0000987528.96345.11
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Maya Hioki, Masahiro Umeda, Masaki Fukunaga “In Vivo Determination Of Human Skeletal Muscle Fatty Acids By1H-MRS At 7 Tesla” 2023 ACSM Annual Meeting & World Congresses. (Denver, CO, USA), 2023/5/31-6/2
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る