利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23MS1001

利用課題名 / Title

電子スピン共鳴測定による金属タンパク質の分光測定

利用した実施機関 / Support Institute

自然科学研究機構 分子科学研究所 / IMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials

キーワード / Keywords

銅含有亜硝酸還元酵素; 電子スピン共鳴; Type II銅


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

押木 守

所属名 / Affiliation

北海道大学工学研究院環境工学部門 水質変換工学研究室

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

小林 諒斗

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

藤原 基靖

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

MS-216:電子スピン共鳴(E500)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

バクテリア由来銅含有型亜硝酸還元酵素内に存在すると考えられるType II銅の存在を確認する目的で電子スピン共鳴測定を行った。電子スピン共鳴測定の結果、Type II銅の配位を確認することができた。

実験 / Experimental

実験材料である銅含有型亜硝酸還元酵素は北海道大学で調整した。銅含有型亜硝酸還元酵素をコードする遺伝子領域を発現ベクターであるpColdIにクローニングし、大腸菌をホストとしたタンパク質過剰発現を行った。大腸菌破砕液から銅含有型亜硝酸還元酵素をFPLC精製した後、透析法で酵素へ銅の再配位を行った。  調整した酵素溶液を分子科学研究所へ持参し、ESR用石英管(シゲミ、EPS-004B)へ分注したのち、凍結脱気を行い、電子スピン共鳴測定へ供した。電子スピン共鳴測定は、–253℃、マイクロ波長 9.6 GHz、マイクロ波力 1 mWで実施した。

結果と考察 / Results and Discussion

本年度の測定では6種類の銅含有型亜硝酸還元酵素について電子スピン共鳴測定を実施することができた。測定例を図1に示す。銅を含有している金属タンパク質では、Cu2+に由来するESRピークを測定することができ、銅タンパクではCu核 (I = 3/2)による超微細構造によって特異的な4本の分裂線が観測される。図1に示されるようにType II銅に起因する分裂線が観察され、g//値 2.22、A//値 19.2 mTであった。これらの値は銅含有型亜硝酸還元酵素のg//値およびA//値としてこれまで報告されている値と近似しており、本研究で測定に供した銅含有型亜硝酸還元酵素にType II銅が存在していたことを確かめることができた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1. バクテリアAchromobacter由来亜硝酸還元酵素のESRスペクトル


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

電子スピン共鳴測定装置 E500 (Bruker)の利用申請・測定にあたり、分子科学技術研究所 藤原 基靖 主任技術員、伊木 志成子 特任専門員より多大なサポートをいただいた。ここに記して感謝の意を示す。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 押木 守, 小林 諒斗, 中屋 佑紀, 服部 祥平, 豊田 栄, 佐藤 久, 岡部 聡, “亜硝酸還元酵素による亜酸化窒素(N2O)の生成” 日本微生物生態学会 第36回大会, 2023年11月 2023年11月30日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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