利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.04】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23MS0026

利用課題名 / Title

有機半導体「準ホモエピタキシャル」結晶成長を実現する分子材料の合成

利用した実施機関 / Support Institute

自然科学研究機構 分子科学研究所 / IMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

ルブレン,光電子分光,エピタキシャル成長


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

中山 泰生

所属名 / Affiliation

東京理科大学理工学部

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

椴山 儀恵,鈴木 敏泰

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

MS-304:有機合成DX群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

課題申請者は,高移動度を示す有機半導体として知られるルブレン分子の単結晶表面上に,表面格子定数が極めて近い誘導体分子であるビス(トリフルオロメチル)ジメチルルブレン(fmルブレン)を積層すると,極めて良好な有機半導体ヘテロ接合が得られることを報告している。本研究では,上記の分子間ヘテロ界面の電子構造,およびその冷却に伴う変化を明らかにした。

実験 / Experimental

fmルブレンは支援機関(椴山准教授・大塚助教)において合成されたものを提供いただいた。課題申請者所属機関において製造したルブレンの単結晶表面上に膜厚20 nmのfmルブレン分子を積層し,界面試料を作製した。これを室温から60 Kまで段階的に冷却しながら,分子科学研究所極端紫外光施設(UVSOR)BL4Bにおいて光電子分光(PES)測定を行い,電子構造の変化を追跡した。試料表面構造は,課題申請者所属機関において原子間力顕微鏡(AFM)によって観察した。

結果と考察 / Results and Discussion

本課題の対応研究者である椴山儀恵准教授の研究グループで合成された有機半導体分子を用いた有機半導体ヘテロ接合試料に対して,電子バンド構造計測をUVSOR BL4Bを用いて実施した。現時点では試料の結晶性が十分でなく,電子バンド分散の実測には至っていないが,引き続き製膜条件の最適化と電子バンド分散の実測を試みている。得られたPESスペクトルには,積層したfmルブレンの最高占有準位に由来するピークと真空準位位置を示す二次電子放出閾値が明瞭に観測され,fmルブレン分子が試料表面を十分に被覆していることが確認された。これを冷却すると,fmルブレンの最高占有準位および真空準位は,いずれもエネルギー安定化方向にシフトする傾向がみられた。このことは,冷却によって光電子放出に伴う試料表面の帯電が進むことを示唆している。AFM測定の結果,今回の試料ではfmルブレンが多結晶状に製膜されていることが確認されたため,今後は製膜条件の最適化により単結晶状のfmルブレン積層界面を作製し,より詳細な光電子分析を実施する予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. T. Yamada, N. Ohtsuka, N. Momiyama, Y. Nakayama, “Photoelectron Measurements for Rubrene Derivatives on Rubrene Single Crystals”, UVSOR Activity Report 2023, submitted.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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