利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.04.24】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22JI0052

利用課題名 / Title

π共役系ポリマーのMALDI-MSによる連鎖解析

利用した実施機関 / Support Institute

北陸先端科学技術大学院大学 / JAIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials

キーワード / Keywords

エネルギー変換、量子・電子制御,クロマトグラフ/Chromatography


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

福田 千紗

所属名 / Affiliation

東洋紡株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

宮里朗夫 ,四十万谷智子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

JI-004:フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計
JI-005:マトリックス支援レーザー脱離イオン化タンデム飛行時間型質量分析計
JI-006:ガスクロマトグラフ質量分析計


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

重合量、ロットを変えたπ共役ポリマー3種で材料物性が異なることが判明した。物性低下ロットではブロック体の生成や不純物量の増加が疑われたが、NMRにて解析実施するも、詳細構造の確認が困難であった。そこで、MALDI-MSにてオリゴマー生成物および不純物を確認することで、試料間差異(例えば末端、連鎖)を明らかにしたい。構成モノマーはD、Aの2種類。理想は交互共重合体である。
さらに、溶液中のフタル酸エステルのGC/MSを用いた定性分析をお願いした。なお、弊社ではGC-TOFMSおよびCIの知見がなく、どのような結果が得られるか確認したい。

実験 / Experimental

試料(3点)とDCTBをCHCl3に溶解後、MALDIプレートに滴下、乾固し測定試料とした。この試料に対して、それぞれMALDI-TOF MS、MALDI-FT-ICR MSを適用した。
フタル酸エステル溶液に対しGC-TOF MS(EI, CI)を適用した。

結果と考察 / Results and Discussion

各試料から複数のオリゴマー成分が検出された。懸念していたブロック体の生成は性能良好なロットでも性能低下ロット同様に確認された。性能低下ロットでは重合方法から連想されるオリゴマーのほかに、不純物ピークが多く検出された(図1)。不純物の存在が性能低下に起因していると推測される結果が得られた。
フタル酸エステルはEI、CI測定においてどちらでも分子イオンを確認できた成分もある(図2)が、EI測定ではフラグメントイオンのみ検出された成分に関してもCI測定にて[M+H]+のイオンを検出できた(図3)。質量誤差も小さく、貴重な知見が得られた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1



図2



図3


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

迅速に分析にご対応いただくだけでなく、追加測定についてもご提案いただいた。弊社では知見のなかった分析機器に関し、原理も交えて丁寧にご教示いただいた。ご対応頂いた宮里朗夫様に感謝申し上げます。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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