【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.04】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23MS0015
利用課題名 / Title
量子化学計算に基づく金属ナノクラスターの構造・物性相間の解明
利用した実施機関 / Support Institute
自然科学研究機構 分子科学研究所 / IMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
金属ナノクラスター, 量子化学計算, キラル
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
武藤 克也
所属名 / Affiliation
大阪公立大学大学院理学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
江原正博
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本研究では、金13や銀29クラスターに代表される金属ナノクラスターの金属や配位子の種類・立体構造に着目することで電子的・光学的性質と構造との相関を量子化学計算により明らかにすることを目的とする。
実験 / Experimental
ビスベンゾホスフィンドールを配位子とした新たな金13ナノクラスターの電子的・光学的性質と構造との相関を明らかにするため、量子化学計算を行った。構造最適化計算をB3LYP/6-31G*レベルで行い構造の安定性を評価し、時間依存密度汎関数法(TDDFT)により電子吸収スペクトルやCDスペクトルを始めとする光学特性を明らかにした。さらに、Au13ナノクラスターに対し、キラル配位子の数を変化させた場合のジアステレオマーの安定性について、量子化学計算から評価を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
新たに合成した金属ナノクラスターのX線構造解析結果を元に初期構造を作成した。配位子も含めたクラスター構造に対して、中心金属元素を変化させた場合の最適化構造に対して、Au-Au間距離と、Auが作る2つの五角形の頂点間の二面角を算出したところ、新たに合成した金属クラスターは非常に高い対称性を有していることが分かった。また、既報のクラスターについても同様の計算を行い比較すると、吸収波長が約100 nmも短波長シフトすることが明らかとなった。この短波長シフトは、HOMO準位が安定化することによるHOMO-LUMOギャップの増大に起因していることがわかり、新たに合成したクラスターの配位子は、クラスターの電子状態制御に有効であることが分かった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 武藤 克也、中嶋 琢也、” ヘキサアリールビイミダゾールとターアリーレンの特徴を有する新規フォトクロミック分子の開発”、日本化学会第104春季年会、2024年3月19日
- 矢作 哲平、武藤 克也、中嶋 琢也、” ビス(ベンゾホスフィンドール)エタンを配位子とする金クラスターの合成と発光特性”、日本化学会第104春季年会、2024年3月18日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件