【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.11】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KU1045
利用課題名 / Title
導電性高分子によるカーボンナノチューブの選択的可溶化の検討
利用した実施機関 / Support Institute
九州大学 / Kyushu Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions
キーワード / Keywords
表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,走査プローブ顕微鏡/ Scanning probe microscope,赤外・可視・紫外分光/ Infrared/visible/ultraviolet spectroscopy,ナノチューブ/ Nanotube
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
Janas Dawid
所属名 / Affiliation
Silesian University of Technology
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
善 文比古
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub),共同研究/Joint Research
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KU-507:近赤外蛍光分光装置群
KU-510:走査型プローブ顕微鏡装置群
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
カーボンナノチューブは高い電気伝導度や熱伝導度から次世代デバイスとして期待されている。中でも半導体性を示す単層カーボンナノチューブ(半導体性単層CNT)はそのキャリア輸送能や熱電特性からエネルギー材料としても期待されいてる。現在、半導体性単層CNTと金属性単層CNTを作り分ける技術は未開拓であることから、混合物からの抽出・分離が行われている。なかでもポリフルオレン(PFO)は半導体性単層CNTのみを可溶化することから注目されている。今回、新規に合成したPFO誘導体で半導体性単層CNTの抽出を確認するのが目標である。
実験 / Experimental
PFO誘導体のトルエン溶液に単層CNTを添加し、超音波照射によって分散処理を行った。得られた溶液を遠心処理によって未分散物を沈殿させ、上澄み用液を回収した。回収した溶液の近赤外発光スペクトル測定を行った。また、得られた溶液をマイカ基板上に塗布し、原子間力顕微鏡(AFM)の測定も行った。
結果と考察 / Results and Discussion
走査型プローブ顕微鏡 SPM9600を使用。近赤外発光スペクトル測定により、PFO誘導体のうち、アルキル鎖が長いものあるいはアルキル鎖の置換されたユニットの割合が多いもので可溶化させた場合において明確な発光に由来する複数のスポットが確認された。一方で、アルキル鎖長の短い、あるいはアルキル鎖の置換ユニットの割合が少ないもので可溶化させた溶液からは近赤外発光が得られなかった。AFM測定の結果、発光が見られた溶液においては孤立分散に近い単層CNTが確認されたものの、発光が見られなかった溶液については太いバンドルの単層CNTのみが確認された。このことから、アルキル鎖の効果で半導体性単層CNTが可溶化され、近赤外発光を生じたと考察できた。今後、可溶化された半導体性単層CNTを用いてデバイス化を検討する。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
測定を担当した善文比古技術職員に感謝します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件