利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AE0014

利用課題名 / Title

超音速分子線を用いたグラフェンガスバリア特性評価のための要素技術開発: 光電子制御プラズマ照射による欠陥と透過特性の関係

利用した実施機関 / Support Institute

日本原子力研究開発機構 / JAEA

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

グラフェン,耐腐食材料,保護膜,分子線,放射光,X線光電子分光法,放射光/ Synchrotron radiation


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

山口 尚登

所属名 / Affiliation

米国ロスアラモス国立研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

小川 修一,高桑 雄⼆,鷹林 将

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

吉越 章隆,津⽥ 泰孝

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AE-010:表面化学実験ステーション


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

グラフェンは1原子層にも関わらず、高いガスバリア性を有し、金属表面等の耐腐食材料として期待されている。これまで数日程度の耐久試験はされてきたが、実用上問題となる年単位のデータはない。本課題は、年単位で懸念される数eVのガス分子の影響を超音速分子線を用いて数分程度で明らかにする技術を開発する目的のもとに行った。 結果、今回照射した光電子制御プラズマの条件の場合、グラフェンに生成される欠損の量を抑えることができるためにガスバリア性を保つことが可能であるという興味深い結果が得られた。

実験 / Experimental

本実験の目的は、超音速分子線発生装置で発生した数eVのガス分子を、光電子制御プラズマ照射して微量な構造欠陥を生成したグラフェンをコーティングしてある基板に照射し、酸化過程をX線光電子分光法で評価することであった。試料は、単結晶金属基板に気相成長法で成長されたグラフェンを用いた。実験は、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構が所有するBL23SU 表面化学実験ステーションで行った。また、実験は12シフト行った。放射光および分子線装置等の調整に1シフト、金属表面清浄化などの反応前の試料前処理とその確認に1シフト、事前に行ったイオン照射条件や超音速O2分子線のエネルギーを変えた分子線照射実験に3シフト×3条件= 9シフト、合計12シフトである。 実験手順としては、まずビームの調整を行った後、実際の試料の測定を開始した。具体的には、Moホルダに固定した試料を真空槽に導入後、ドライクリーニングを行った。ドライクリーニングの条件は、水素雰囲気中(5×10-4 Pa)で300℃のアニールを1-2回繰り返すというものであった。次に放射光のエネルギーを711 eVにセットし、清浄化した基板に放射光を照射した後、O 1sとCu 3pの測定を繰り返し行った。X線光電子分光測定中に測定槽内へ超音速O2分子線を照射し、O 1s光電子スペクトルの時間発展から、グラフェンでコーティングされたCu基板表面が酸化膜で覆われた時間を推定した。表面が酸化膜で完全に覆われ場合には、H2ガスを導入し還元反応を進行させ、O 1sとCu 3pの測定を行って、還元されていることを確認した。還元反応の際のH2圧力は5×10-4 Paである。これらの手順を繰り返し行った。

結果と考察 / Results and Discussion

結果としては、今回照射した光電子制御プラズマの条件の場合、グラフェンに生成された欠損の量を抑えることができるためにガスバリア性を保つことが可能であるという興味深い結果が得られた。ガスバリア性の定量的な効果は現在、分析中である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

なし。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る