利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.25】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AE0008

利用課題名 / Title

表面X線散乱による二元系硝酸還元電極触媒におけるスズの状態解明4

利用した実施機関 / Support Institute

日本原子力研究開発機構 / JAEA

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

電極触媒,硝酸還元,亜酸化窒素還元,温室効果ガス削減,X線回折/ X-ray diffraction


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

八木 一三

所属名 / Affiliation

北海道大学大学院地球環境科学研究院

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

岡 紗雪,西山仁人

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

保田 諭,田村和久

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AE-005:カッパ型多軸回折計


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

地下水中の硝酸イオンや大気中の亜酸化窒素(N2O)は増加の一途を辿っている。我々はこれらを常温かつマイルドな条件で還元できる電極触媒の探索をおこなっている。これまでPt(111),Pd(111)およびPd(100)単結晶電極をスズ修飾溶液に浸漬する時間を制御することで、スズの表面被覆率を制御できること、スズ被覆率が高ければ高いほど、さらには事前にスズ修飾電極に負電位を印加することで、硝酸還元能が高まることを見出している。実際のスズ吸着構造については情報がないことから、SPring-8 BL-22XUのκ型X線回折計を用いたSXS法、特に表面の面内原子配列に敏感な表面X線回折(SXRD)法と表面垂直方向の構造に敏感なCTR法を組み合わせ、スズ被覆率と保持電位を変化させながら、測定を実施することを目的とした。

実験 / Experimental

今回、試料として準備していたPd(111)とPd(100)単結晶が送付直前のアニール処理の段階で融解してしまい、実験自体が実施できない事態となった。そこで、急遽、今後の研究に使用するために準備していた二層グラフェン(Gr/Gr)被覆Au(111)単結晶と同じくGr/Pt(111) 単結晶を用いた電気化学SXS実験を進めることとした。

結果と考察 / Results and Discussion

Pd単結晶電極が使用不可能になったため、急遽Gr/Gr/Au(111)電極とGr/Pt(111)電極を調製し、硫酸水溶液中での電位依存性を測定した。Gr/Gr/Au(111)単結晶は、化学気相成長(CVD)で成膜した単層Gr/Au(111)表面に、別の基板上に調製した単層Grを転写することで調製した。これはGr/Au(111)上にピレン分子をファン・デル・ワールス力で修飾した場合の表面と比較するためのモデルとなる。CTRを測定すると、二層GrがAu(111)表面に存在することを示す形状の曲線が得られた。また、面内XRDを測定すると、Gr/Au(111)と同様、Au(111)表面が再構成した状態のままであることがわかった。ただし、電位依存性を測定すると、再構成が若干解け、(1x1)ピークが変化する様子が観察された。これは単層Gr/Au(111)では観測されなかった挙動である。これについては再検証の必要がある。一方、Gr/Pt(111)では、水素吸着領域でCTRの顕著な変化が観測された。これらについては2023B期の実験で再現性を確認する。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

なし


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Yang Deng, The pH dependence of the electrocatalytic nitrate reduction by tin-modified palladium(100) electrodes: Effects of structures of tin species and protonation of nitrite, Electrochimica Acta, 470, 143301(2023).
    DOI: https://doi.org/10.1016/j.electacta.2023.143301
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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