【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.11】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KT1338
利用課題名 / Title
高感度フレキシブル3ωセンサのためのパリレン膜厚検討とデバイス特性評価
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials
キーワード / Keywords
フレキシブルセンサ, 流体, 熱物性, 熱計測,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,3D積層技術/ 3D lamination technology
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
廣谷 潤
所属名 / Affiliation
京都大学 大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KT-251:パリレン成膜装置
KT-258:電子線蒸着装置(2)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
流体やソフトマテリアルの熱物性計測を目指して3ω法に基づく高感度なセンサを開発している。3ω法とは基板上に作製した薄膜電極に試料を垂らし、交流電流を流した時の出力電圧の角周波数3ω成分から試料の熱物性値を計測する手法である。本研究ではこれまで、従来よりも高感度に計測することを目的として厚さ1ミクロン以下のパリレン薄膜を基板とするセンサを作製に成功している。本課題ではパリレンの膜厚とセンサ感度について再度検討を行い、既存の測定手法と解析手法を改良して液体の熱伝導率評価を実施した。
実験 / Experimental
Fig.1に、 KT-251:パリレン成膜装置を用いたパリレン自立薄膜の作製手法を示す。パリレン薄膜作製のために熱剥離シートを使用した。熱剥離シート上に犠牲層としてフォトレジストを塗布し、パリレンをパリレンコーターで成膜した。そして加熱剥離し、アセトンでフォトレジストを除去してパリレン自立薄膜を作製した。ここで、Si基板に同条件で成膜したパリレンの厚さを光干渉膜圧計で測定した値をパリレン自立薄膜の厚さとした。作製したセンサを用いて、試料を水、エタノール、IPAとして3ω法に基づく熱伝導率計測を行なった。出力電圧の3ω成分はロックインアンプで測定した。
結果と考察 / Results and Discussion
作製したセンサを評価するために、熱物性値が既知である水に対して3ω法に基づく熱伝導率計測を行った結果例をFig.2に示す。周波数を1〜1000 Hzで変化させ、各周波数における電圧信号をロックインアンプで測定することでΔTを求め、その値から液体の熱伝導率を算出した。作製したセンサを用いて算出した水の熱伝導率は0.559Wm-1K-1となり、文献値から10 %以内の精度で測定することに成功した。文献値からの乖離の原因として、3ω法での理論モデルでは考慮していない薄膜抵抗内での熱伝導や各層間の界面熱抵抗などの影響が考えられる。今後はシミュレーションによるこれらの影響の評価や測定系の改良による測定精度の向上を目指すとともに、液体にナノ材料などのフィラーを加えた場合の測定を目指す。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 Fabrication process of thin parylene film
Fig.2 Estimated temperature amplitude for water
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件