【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.15】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KT1218
利用課題名 / Title
ナノギャップの熱、電気伝導特性の測定
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials
キーワード / Keywords
MEMS,単結晶シリコン,ナノギャップ,ナノスケール熱輸送,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,ダイシング/ Dicing,光リソグラフィ/ Photolithgraphy,3D積層技術/ 3D lamination technology
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
Amit Banerjee
所属名 / Affiliation
京都大学 大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
霜降真希
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
岸村眞治
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KT-102:露光装置(ステッパー)
KT-118:高圧ジェットリフトオフ装置
KT-212:シリコン酸化膜犠牲層ドライエッチングシステム
KT-218:レーザダイシング装置
KT-234:深堀りドライエッチング装置(1)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
熱制御素子などへの応用が期待される大面積平行平板ナノギャップ間の物理特性の実験的測定によるナノギャップ物理現象のメカニズム解明を目的として,単結晶シリコンのへき開により高い平滑性・平行度と大面積を両立したナノギャップ創製や間隔制御が可能なMEMSデバイスを作製する.デバイスの電極層の内部応力による影響で支持梁が座屈し可動部が浮き上がる課題があり,製造プロセスの変更により改善を行った.
実験 / Experimental
MEMSデバイスの概要を図1に示す.中央部には可動部であるシャトル構造が3組の支持梁で吊架された構造となっており,切欠きを介して固定部であるアンカーと一体化している.引張力をシャトルに加えると,切欠きでへき開し,(111)結晶面が対向したナノギャップ構造が創製される.ギャップ間隔は静電アクチュエータによりシャトルを変位させて制御できる.
先行研究ではCr 20 nm,Au 200nmの電極層の内部応力により支持梁が座屈しシャトルが1µm程度浮き上がり駆動ができなかったため,電極の厚みをそれぞれ半分に変更した.デバイスは活性層方位(110),OF方位(111),厚み5μm,酸化膜層厚み2µm,ハンドル層400μmのSilicon on Insulatorウエハのデバイス層へリフトオフ用レジスト(PMGI SF5S)とフォトレジスト(TDMR-AR80)を塗布し,i線ステッパ(KT-102)を用いてフォトリソグラフィした.電極はEB蒸着装置(KT-203)で金属厚板治具を用いて蒸着し,プロセス中の試料温度上昇を低減させた.また,収率向上のため,高圧ジェットリフトオフ装置(KT-118)を用いてリフトオフし,金属パターンを作製した.
デバイス層構造はTDMR-AR80をフォトレジストとしてi線ステッパ(KT-102)によりフォトリソグラフィし,深掘りエッチング装置(KT-234)を用いてボッシュプロセスにより作製した.ハンドル層側へ深堀ドライエッチング用レジスト(CY1000)を塗布し,両⾯マスク露光&ボンドアライメント装置(KT-119)によりフォトリソグラフィし.ハンドル層構造はボッシュプロセスにより作製した.
最後にレーザーダイシング装置(KT-218)を用いてチップへ分割し,シリコン酸化膜犠牲層エッチング装置(KT-212)を用いて酸化膜層をドライエッチングし,構造をリリースした.
結果と考察 / Results and Discussion
先行研究では支持梁の座屈によりシャトルの駆動ができなかったが,走査電子顕微鏡観察から,プロセス変更により改善されたことが確認できた.(図2)へき開によりギャップを創製したあと,静電アクチュエータを用いてシャトルを駆動し,シャトルの変位を静電容量センサにより測定した結果を図3に示す.静電アクチュエータの出力を変化させると静電容量センサの静電容量が変化し、シャトルが変位、つまりギャップ間隔が変化していることがわかる.また精度は0.3 nmであり,ナノギャップの間隔を高精度に制御できることを実証できた.
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 デバイスの概要
図2 作製したデバイスの走査電子顕微鏡画像
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本研究はJSPS科研費JP21H01261,及び一般財団法人森記念製造技術研究財団の支援を受けて実施した.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件