【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.17】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23TU0202
利用課題名 / Title
積層造形したチタン合金の組織解析
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
チタン合金, 生体材料, 積層造形, 強度,電子顕微鏡/ Electronic microscope,集束イオンビーム/ Focused ion beam
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
陳 中春
所属名 / Affiliation
鳥取大学大学院 工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
早坂祐一郎,早坂浩二
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TU-502:超高分解能分析電子顕微鏡
TU-508:集束イオンビーム加工装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
Ti-6Al-4V合金は高比強度・高耐食性を有するため人工関節等の分野で広く利用されているが、Vの細胞毒性とAlの神経毒性が懸念されている。本研究では、チタンに酸素などの生体親和性元素を導入し、レーザ積層造形により合金を作製した。酸素等の固溶強化および組織の微細化によるチタンの高強度化を図る。本申請では、高分解能解析手法を駆使した組織や格子欠陥の解析を行い、高酸素チタン合金の強化メカニズムおよび塑性変形機構を解明することを目的とした。
実験 / Experimental
チタン粉末と酸化物粉末からなる混合粉末を用いて、レーザ積層造形装置によりチタン合金試料を作製した。また、集束イオンビーム加工装置(Versa 3D)を用いて透過型電子顕微鏡観察用の薄膜試料を作製し、超高分解能分析電顕(Titan3 60-300 Double Corrector)により組織を観察した。
結果と考察 / Results and Discussion
本試料の組織は、XRDやSEM-EBSDの解析結果から数百ナノメートル以下のhcp構造であった。その中で、幅が数十ナノメートルの非常に細かい組織が観察された。この組織について制限視野回折を行ったところ、2つの結晶方位の回折図形が得られた。さらにナノビーム回折によりこの細かい組織からの回折図形を得た。これらの回折図形の解析により、ひとつは六方晶で指数付け可能であったが、ナノビーム回折の回折図形は、hcpやTiの母相であるbccでは指数付けできなかった。そこでfccを仮定して指数付けしたところ、指数付け可能であった。これらの解析の結果、六方晶とfcc相の界面は、(0002)hcpに平行かつ{111}fccに平行であった。そして、このhcpとfccの結晶方位関係は、双方の稠密面と稠密方向が一致していることが明らかとなった。今回の結果を踏まえて、今後、積層造形および引張変形した試料の更なる組織解析を行い、高酸素チタン合金の強化メカニズムおよび塑性変形機構を解明していく。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
・共同研究者: 東北大学 金属材料研究所 山中謙太 教授
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件