【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.22】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UE5296
利用課題名 / Title
品質向上を目的としたTEM200kVによる自社製カーボンナノチューブの観察
利用した実施機関 / Support Institute
電気通信大学 / UEC
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies
キーワード / Keywords
CNT,カーボンナノチューブ,MWCNT,多層カーボンナノチューブ,CVD,製造,量産,低コスト化,電子顕微鏡/ Electronic microscope,資源代替技術/ Resource alternative technology,ナノチューブ/ Nanotube
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
森 彩乃
所属名 / Affiliation
株式会社カーボンフライ
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
北田 昇雄,松橋 千尋,木村 誠二
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
弊社はマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)の製造・研究を行っており,従来とは異なる製法によりカーボンナノチューブ(CNT)を作製する研究も行っている.今回,電気通信大学研究設備センター所有のTEM UE-017(日本電子製 JEM-2100F,加速電圧:200 kV)を用いて弊社製CNTの観察を行った.
実験 / Experimental
弊社にて無水エタノール中にCNTを分散させ,その液体をCuマイクログリッドに滴下し乾燥させたサンプルを電気通信大学研究設備センター所有のTEM UE-017(日本電子製 JEM-2100F,加速電圧:200 kV)にて観察した.今回はCNTの直径,層数,アモルファスカーボンの観察を行った.
結果と考察 / Results and Discussion
弊社のCNTは熱CVD法を用いて,触媒をスパッタした基板上に成長させる方法により作製しており,その製法に少し工夫を加えて作製したCNTをサンプルとした. 弊社製CNTのクオリティに影響する特徴の違いなどを観察している.弊社内でクオリティの良いもの・悪いものを選別し,それをTEM観察することで製法の改善を図っている.図1はクオリティの良いものと悪いものをそれぞれ観察した画像である.どちらともCNTの周りにアモルファスカーボンと思われる物体が付着しているが,その量の違いが見られる.このアモルファスカーボンは生成時に原料ガスがCNTにならずCNTの周りや基板などに付着したものと考えられており,この量によって長さや直線性,直径などの品質に左右すると考えられる.
また,品質の悪いCNTTEM画像に点状の物が写っているが,これは触媒と考えられ,スパッタの不良が考えられる.
図2より今回観測したCNTの直径は
品質の悪いもの:11.1[nm]~12[nm],品質の良いもの:8.8[nm]~10.2[nm],層数はそれぞれ6~7層,5~6層となった.品質の悪いもののほうが少し直径が大きいのだが,その理由としては,先に述べたように周りについたアモルファスカーボンの影響が大きいと考えられる.
この結果を受け, CVD法におけるガスや焼成温度などの各種パラメータを調整し,より良い品質のCNTを量産している.
現在,従来とは異なる新しい方法で量産の研究を行っており,その方法で作製したCNTの傾向(直径や層数,付着物や欠陥)が見てとれる程度の撮影を行い更なるレシピの改良に取り組む予定である.
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1,左:品質の良いCNTTEM画像,右:品質の悪いCNTTEM画像
図2, 上段:品質の悪いCNTの直径,下段:品質の良いCNTの直径
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
電気通信大学研究設備センター木村様に測定の相談や予約,事務処理,技術支援など多大なご尽力をいただきました.ここに謝意を述べさせていただきます.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件