【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.25】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UE5292
利用課題名 / Title
X線回折装置などを用いた無機材料の構造解析
利用した実施機関 / Support Institute
電気通信大学 / UEC
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies
キーワード / Keywords
二次電池/ Secondary battery,全固体電池/ All-solid battery,X線回折/ X-ray diffraction
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
市川 諒英
所属名 / Affiliation
日亜化学工業株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
中村 淳
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
北田 昇雄,松橋 千尋
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),共同研究/Joint Research
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UE-004:DSC粉末X線同時測定装置
UE-018:精密構造解析用X線回折装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
結晶構造データベースと第一原理計算を用いて、新しいLi+イオン伝導性固体電解質を探索している。このためには、探索で得られた候補材料を実測し、その結晶構造を正確に同定する事が重要である。現在、参照試料として、既知の電解質材料であるLi4SiO4を用いている。Li4SiO4は、室温ではLi+イオンが秩序配列した単斜晶構造(P21/m)を、750K以上では無秩序配列の単斜晶構造(P21/m)をとることが報告されている[1]。今回の機器利用では、粉末X線回折測定を行い、室温の結晶相を実際に確かめた。また、格子定数を求めて、第一原理計算の結果と比較した。
実験 / Experimental
株式会社 豊島製作所のLi4SiO4粉末を用いた。DSC粉末X線同時測定装置及び精密構造解析用X線回折装置を用いて、室温下で集中法測定を実施した。Cu Kα線源及び1次元検出器を用いた。入射側と検出器側のスリットや測定角度範囲は適宜変更した。測定は、0.01deg/stepの連続走査で行った。試料は、ガラス試料板や無反射試料板に充填した。得られたデータを所属機関に持ち帰り解析した。格子定数は、相対強度が10%以上の回折線の最大強度の2θ角を使って求めた。
結果と考察 / Results and Discussion
観測されたメジャーなピークの回折角は、結晶構造データベースに登録されている単斜晶Li4SiO4のものとほぼ一致した(図1)。また、Li+イオンが秩序配列した結晶相で生じるマイナーなピーク(*)も観測することが出来た(図2)。よって、参照試料として用いているLi4SiO4が、室温ではLi+イオンが秩序配列した単斜晶構造をとっていることを確かめられた。格子定数を求めて、第一原理計算の結果と比較したところ、実測値と計算値の差は+1%以内にあることが分かった。この結果は、現在進めている材料探索に重要である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 粉末X線回折測定の結果
図2 粉末X線回折測定の結果
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
共同研究者 / 電気通信大学 情報理工学研究科基盤理工学専攻 中村淳教授
参考文献 / [1] Yue Deng et al., Appl. Mater. Interfaces 9, 7050 (2017).
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件