利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.13】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UE0032

利用課題名 / Title

神経情報伝達のメカニズム

利用した実施機関 / Support Institute

電気通信大学 / UEC

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

生体組織,共焦点レーザー走査型顕微鏡


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

仲村 厚志

所属名 / Affiliation

電気通信大学大学院情報理工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

桑江 脩平

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

桑原 大介,松橋 千尋,北田 昇雄

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UE-009:共焦点蛍光顕微鏡システム


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

我々の体内の様々な生理現象には、約1日周期のリズムが存在する。このリズムは概日リズムと呼ばれ、概日リズムを生み出す生物時計を概日時計と呼ぶ。概日時計が約24時間周期のリズムを生み出す仕組みは、まだ不明な点が多い。本研究ではAMPキナーゼと呼ばれる蛋白質リン酸化酵素の、概日時計機構における24時間のリズムを生み出す仕組みへの関与を調べている。哺乳類において、概日時計の中枢は脳の視床下部の視交叉上核という領域に存在している。我々は、視交叉上核におけるAMPキナーゼの機能を明らかにするために、共焦点レーザー走査型蛍光顕微鏡を用いて、マウスの脳における組織学的な解析を行っている。これまでに、AMPキナーゼの活性化が視交叉上核に局在していることを明らかにし、さらに、その活性が夜の前半の時間帯に高いことが分かっている。また活性の高い夜の前半にマウスに光の照射を行ったところ、急速に昼のレベルにまでリン酸化レベルが低下していることを明らかにしている。2023年度は2022年度に続き、このリン酸化レベルの低下が、脱リン酸化酵素であるカルシニューリンの活性化によって引き起こされると推測し、カルシニューリン阻害剤であるシクロスポリンA(CsA)を投与する条件検討を行った。

実験 / Experimental

AMPキナーゼの活性を検出する方法として、AMPキナーゼの基質分子のリン酸化状態を検出する抗体を用いて、その反応量を指標とした。夜間にマウスに光照射を行い、AMPキナーゼの基質分子のリン酸化レベル低下を観察した。その際にカルシニューリン阻害剤であるCsAをあらかじめ投与しておき、リン酸化レベル低下への影響を観察した。蛍光抗体を用いて、リン酸化された細胞を共焦点レーザー顕微鏡により、蛍光により検出した。

結果と考察 / Results and Discussion

CsA投与量がマウスの体重に対して200mg/kg投与した際に、顕著な効果が見られることがわかった。夜間の光照射により、リン酸化された基質を含む細胞は大きく減少するが、CsAを投与しておくと、その減少が抑えられた。これらのことから、夜間の光照射によるAMPキナーゼの基質分子の脱リン酸化はカルシニューリンによって担われていることが分かった。これらの結果について、再現性の確認を行うため、データの収集を行った。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 マウス視交叉上核におけるAMPキナーゼの活性化 左よりそれぞれ光照射あり、光照射なし、CsA投与下での光照射あり、の場合のAMPキナーゼの活性化を表している。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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