【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.20】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23CT0122
利用課題名 / Title
環境低負荷な機能性高分子材料の合成法の開発と構造解析
利用した実施機関 / Support Institute
公立千歳科学技術大学 / Chitose IST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
生分解性材料/ Biodegradable material,クロマトグラフィ/ Chromatography
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
馬渡 康輝
所属名 / Affiliation
室蘭工業大学大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
大越研人
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
diphenolic acid (DPA)は、リグノセルロースから誘導されるlevulinic acid とフェノールから合成されるビスフェノール化合物である。DPA は高分子の原料となるビスフェノール部位に加え、側鎖に機能性部位を修飾可能なカルボキシ基を有する。このため、修飾した DPAが与えるポリマーは、種々の物性を任意に変化させられる可能性がある。我々はこれまでに、長鎖アルキルエステル化 DPA が与える全芳香族ポリエステル(PAR)が、短鎖アルキルエステル化 DPA が与えるポリマーでは困難であった種々の有機溶媒への溶解性を示し、ポリアリレートと比較して軟化点が低下することを報告した。本研究では、アミド化したDPAをモノマーとするPARの合成、および得られたPARの構造解析および物性を評価した。
実験 / Experimental
合成したDPAモノマーとテレフタロイルクロリド(TPC)との界面重縮合から得られたジクロロメタン可溶部を再沈殿し、白色の繊維状粉末を得た。生成物の数平均分子量 (Mn) 、重量平均分子量 (Mw) は GPC (CHCl3, PSt) 、分子構造は NMR およびIR スペクトルから推定した。分解開始温度(Td)とガラス転移温度(Tg) はそれぞれアルゴン雰囲気下のTGAとDSC 測定より求めた。
結果と考察 / Results and Discussion
アミド化PARは収率 89%で得られCHCl3に可溶であり、Mnは40,000、Mw/Mnは4.8であった。対応するエステル化PARは収率92%で得られCHCl3に可溶であり、Mnは52,000、Mw/Mnは5.8であった。両者はいずれも溶媒キャスト法により透明でしなやかなフィルムを与えた。アミド化PARの1H-NMR スペクトルにおける芳香族プロトンとアルキルアミド基の脂肪族プロトンのピーク面積比、及びIR スペクトルより、重合時に接触するNaOH水溶液によるアルキルアミド基の加水分解は生じていないことを確認した。TGAより求めた両PARのTdは共に300℃であり、側鎖の官能基の違いによる優位な差はなかった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 大村宙士、馬渡康輝、アルキルアミド化ジフェノール酸を用いた芳香族ポリエステルを用いた芳香族ポリエステルの合成 、第72回高分子討論会,第72回高分子討論会予稿集,2023年09月27日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件